先日tomonaritが取り上げていた「SamsongのソーラーパワーPC」だが、偶然知人がアフリカ出張にて購入した物を使わせてもらえる機会があったので、その感想を書いてみることとする。
「これ知ってますか?」と見せてもらったのだが、見た瞬間に思わず「あっ、これってあのソーラーのやつですよね!?」と興奮してしまった。
「これ知ってますか?」と見せてもらったのだが、見た瞬間に思わず「あっ、これってあのソーラーのやつですよね!?」と興奮してしまった。
1.OS
BOP向けの格安PCということで、LinuxやAndroidかと思いきや、Windows7 starterというOSが入っていた。
ネットブック専用のOSのようであるので、このPCもノートPCというよりはネットブックの位置づけなのであろう。
2.ボディー
いわゆるネットブックサイズであるが、1.3kgあり、これがまた体感的にやたらと重い。私の持っているLet’s noteが12.1インチ画面で1.2kgなので、それより重いことになる。
おそらく太陽光パネルの重さというよりは、全体的に頑丈な印象を受けるので、そのせいではないかと思う。
例えば太陽光で充電するためには外に置く必要があり、スコールのような雨を防ぐ必要があり、そういった防水に重きを置いているからであろうか。
3. その他スペック
・電池は9時間
・Norton体験版がプリインストール
・HDDは80GBと128GBが入っている。
・CPUはIntel Atom 1.66Ghz
・メモリは1GB
といったところであるが、実際に使ってみたところ、どうも全体的に遅い。
スペックが低いにも関わらずNortonが入っていることでいちいちアラートが出る。
これでは初めてPCを使う人が楽しむにはちと難しいと感じる。
そしてこの液晶背面のソーラーパネル、最大の弱点を発見。
パソコン使用中は液晶背面は地面を向いているため、ここに太陽光を当てることができない。
つまり、太陽光で充電しながら使用するということはできないということである。
ソーラーパネルといういいアイディアだけに、ここはやや残念。
とはいえ、日本のメーカーでは思いつかない発想でBOPに挑戦するSumsong、さすがです。
日本のメーカーも現地のニーズにあった商品を開発してもらいたいものである。
コメント
メモリ1GBって、近年の高機能携帯電話にも負けてそうなキッツいスペック。ブラウジングで精一杯、Flashやゲームは厳しいですね。
Windows Starter Edition プリインストールの条件を満たすための制限かも。
自分のコンピュータの性能を見極めてそれ相応に使う、という行為は大変難しいことなのかもしれません。
アフリカでも日本でも共通ですが、当方がIT関係の人だと知るや、ブラウザもメーラーもメッセンジャーも同時に動かし、さらにはデスクトップアクセサリやらの常駐物で通知領域があふれかえっているコンピュータを見せ、「重い、固まる、機械が非力だ、何とかしろ」と仰る方は多いです。
目の前のコンピュータのお守りに時間を取られすぎて、IT化による業務効率化などの本題に到達できない人(青年海外協力隊員含む)は多いんじゃないかなーと思うのです。
その点、iPadはユーザー行動/ユーザ経験/ユーザ要求を、巧妙に想定内に押し込めているなぁ、と感心することしきりです。
“そしてこの液晶背面のソーラーパネル、最大の弱点を発見。
パソコン使用中は液晶背面は地面を向いているため、ここに太陽光を当てることができない。
つまり、太陽光で充電しながら使用するということはできないということである。”
この点はまさにそのとおりですね。 どうせなら太陽光発電ユニットが取り外せるようになっていたり、もう一個ヒンジをつけ発電ユニットが上に向くようになっていればよいのにとTVのコマーシャルを見ながら感じておりました。
ちなみに太陽光での充電はどれくらいかかります?
個人的には発展途上国ではこういったPCタイプのものをいまさら持っていくメリットは少なくなるように感じます。 それよりもスマートフォーンやタブレットに移行していくことになると思います。
>Ozaki Yujiさん
そうなんです。スペックは正直低く、中途半端感は否めません。
iPadの話など、まさにSteve Jobsが言いたかったことと思います。
iPadの発表の時のキーノートスピーチで、「PCとスマートフォンの間を埋める理想的なデバイス、それはネットブックだと言う人もいるかもしれない。でも、ネットブックはどちらよりも劣っているから、その答えは満たしていない。」みたいなジョークを言ってましたね。
>あっちゃんさん
充電は天気が悪かったこともあり、試してないですが、2時間チャージで1時間使えるくらいとのことです。
確かにスマートフォンやタブレット、新しい付加価値を出してますよね。チープなラップトップではなく。
とはいえ、太陽電池内蔵というのは面白いです。コンピュータ機能は壮大なオマケであり、メインは携帯電話等の外部デバイスへの給電機能と考えれば、メールもできる太陽電池パネル。あら不思議、なんだか購入意欲が湧いてきました(笑)。
だったらOSはめちゃくちゃ簡素なLinux、Windowsを使いたい時はRDPでサーバに接続、という形態でもいいんじゃないかと。
OLPCの立ち上げに関わったことがあるのですが、あの時一番興奮したのがクランクを廻して発電する装置でした。 残念ながら量産型のOLPCには搭載されませんでしたが、今でも残念で仕方がありません。 このような形で電源供給ができる装置が増えてくると地方でのアクセスが劇的に改善できるかもしれません。
ちなみにこの太陽電池を使い(USB)から携帯電話に充電することもできますね。
こんにちは。日本メーカーで働いてます。
たぶん、日本メーカーが作れば、「ソーラー・省エネ・堅牢で使いやすいパソコン」は開発できるんでしょうけど、まず利益出ないです。むしろ赤字でしょう。最初は赤字でも長期的に回収しようとしても、ハードの差別化要素はすぐに真似されるので、韓国・中国メーカーに市場を席巻されて、結句儲かりません。そのため、単なる箱売りモデルでは、ハード商品開発できても、BOP市場にできないのが実情かと思います。
お客さんの選定要素がハードの機能・性能でないところにシフトするなかで、どんな商品をどうやって提供して、かつ価格競争を回避するかというビジネスモデルを構築しないといけないのが、日本メーカーの試練だと思います(Appleはこれが上手い)。そして、BOP参入はこのハードルが更に高い印象です。ここに果敢に挑む海外メーカーは凄いです。企業全体の投資ポートフォリオを管理できてるのかも。
追伸
Ozakiさんの「メール機能付きソーラーパネル」は面白いですね。メール単機能にすれば、連続稼働時間を30分くらいにして、パネルもバッテリも小さくできるかもしれませんね。
こんにちは。日本メーカーで働いてます。
たぶん、日本メーカーが作れば、「ソーラー・省エネ・堅牢で使いやすいパソコン」は開発できるんでしょうけど、まず利益出ないです。むしろ赤字でしょう。最初は赤字でも長期的に回収しようとしても、ハードの差別化要素はすぐに真似されるので、韓国・中国メーカーに市場を席巻されて、結句儲かりません。そのため、単なる箱売りモデルでは、ハード商品開発できても、BOP市場にできないのが実情かと思います。
お客さんの選定要素がハードの機能・性能でないところにシフトするなかで、どんな商品をどうやって提供して、かつ価格競争を回避するかというビジネスモデルを構築しないといけないのが、日本メーカーの試練だと思います(Appleはこれが上手い)。そして、BOP参入はこのハードルが更に高い印象です。ここに果敢に挑む海外メーカーは凄いです。企業全体の投資ポートフォリオを管理できてるのかも。
追伸
Ozakiさんの「メール機能付きソーラーパネル」は面白いですね。メール単機能にすれば、連続稼働時間を30分くらいにして、パネルもバッテリも小さくできるかもしれませんね。
その昔、Macintoch PowerBook 1400シリーズに、サードパーティーからソーラーパネルが発売されていました。
というのもこのPowerBook、液晶背面のカバーが取り外せたのです。このソーラーパネルは、そのカバーを交換するアタッチメントだったので、使用中もソーラーパネル部分を外して、太陽光が存分に当たる向きに置けました。
ブログ記事をみて思い出しました。
せはたちゃん
コメントありがとう!そうか、昔からソーラーパネルってのはあったんだなぁ。またコメントしてくださいな。
[…] それ以前にもサムソンなどがソーラーパワーを使ったノートPCは販売していましたが、充電にかかる時間が長すぎてあまり訴求効果がなかったという反省点を改善し、SOLは2時間でフル充電可能という性能になっているとのこと。確かに、ソーラーパネルを広げる方式なので、ノートPCの画面の裏だけがソーラーパネルになっているのと比べると、その5倍位の面積がとれている様子です。その分、充電するときには、それなりのスペースが必要だろうなぁ。 […]
[…] ふと思うと「途上国では電気がない→ソーラーパワーで充電出来るPCにニーズあり!」という発想で開発されたPC(カナダの会社が作ったSOLやサムソンのソーラーPC)は果たして成功しているのか・・・? […]
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