韓国のICTボランティア派遣制度

ICT分野の途上国支援を見ていると、韓国は結構プレゼンスが高い。「e-Governmentランキング1位」という看板を武器にアジア、アフリカなどでICT分野の支援を実施している。また、国際機関との共同でイベント的な催しなどにも積極的な印象がある(例えば、InfoDevと一緒にEvokeというオンラインゲームを実施するなど)。

そんな韓国のICT分野支援オプションに面白い取組があったので紹介したい。“World Friends IT Volunteers Program of NIA”という名前で、韓国National Information Society Agency (NIA)という組織がIT系ボランティア短期派遣をやっている。主な派遣先は途上国の政府機関、大学、NGOなどで、派遣期間は短くて約1カ月、長くて2~3ヶ月。短期派遣の場合は、各機関でIT研修などを実施するのが主な活動。ボランティアの多くは学生らしい。長期派遣の場合は、ITプロジェクト支援やコンサルティングサービス支援が主な活動。2001年からこれまで70ヶ国に5000人以上のボランティアを派遣している(下記の表)。

KIVCountries

JICAがやっている青年海外協力隊の短期派遣みたいな感じだが、面白いのは、ICT4D系のNGOのサイトなどを通じて途上国側の受け入れ希望機関へ宣伝しているところ。今回、この取組を知ったのは、telecentre.orgのサイトにこの募集が掲載されていたから。昨年は、Global Knowledge Partnership Foundation (GKP)のサイトにも募集が掲載されていたり。

また、受入れ機関の決定から派遣までのプロセスが早い。2月半ばに受入れ希望機関の募集を締め切って、派遣は7月頃。3ヶ月の活動でも受入れ希望機関の募集締切から1年以内に終わる。このスピード感は応募する受入れ機関となる途上国側と韓国の若者であるボランティア側との双方にとって好都合だと思う。派遣されてみたら要請内容と状況が変わっているなんていうリスクが軽減されるだろうし、さらに、この1~3ヶ月という短さもボランティア側には「行って見よう」とおもうハードルが低そう。インターン気分で途上国にボランティアしに行く感じか?

勿論、2年間ガッツリ活動してくる青年海外協力隊のメリットもあるので(そして、やはり2年間くらい現地に住んで初めて見えてくるものはあると自分は思うので)、こいう短期のパッと行けるボランティア制度の方が優れているとは思わないけれど、選択肢としてこういう制度もあっても良いと思う。受入れ側も参加するボランティア側も、こういう軽いフットワークで出来る制度があると利用し易いだろう。

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