どうする、e-waste(電子電気廃棄物)?(その2)

かなり久しぶりに投稿します(++),,

昨日うちのマンションのゴミ捨て場にPCが投げ捨ててあったらしく、受付の掲示板に管理人からのクレームがあった。
「PCの公共集積所では捨てられませんので引き取りに来て下さい。来ない場合は業者に連絡してPC内の情報を確認し所有者を特定させて頂きます。」 それが本当にできるかはおいて置いて、、、
先日のTomonariの記事、”どうする、e-waste(電子電気廃棄物)?” を読んで少し追加。

大学院の時、インドのICTセクターにおけるCSRと開発というテーマで卒論を書いた。
ICTセクターといっても ハードからソフト、インドだといわゆるIT-BPO(Business Process Outsourcing)とか、ITES(IT-Enabled Sector, コールセンター等) などなど色々サブセクターの分類があるけれども、その中でHW関連するCSRの話といえば、このe-wasteだった。 もちろんイ ンドに進出している米系の有名なHW系ICT会社は、立派なCode Of Conductをもっていて、下請メーカーに環境負荷の低い部品を使うように規定を定め、そこから外れる業者とは契約しない。でも 問題なのはそうした環境対応にもコストがかけられる大企業ではなく、いわゆるコストぎりぎりの中小零細企業(SMEs)。サプライ チェーンの先の、そのまた先までいくとどこまでチェックできているのか正直誰にもわからないというのが正直なところ。e- wasteの問題は既にtomonariの投稿でも書いてあったけど、結局最終的にはSMEsのその先の廃棄物処理業者(不法)がいて、不法に投棄された e-wasteから少しでも金銭になる部品を取り出そうと、それが有毒であることを知らない貧しい人々が病気になってしまうという悲しい仕組み。

昔読んだ資料の情報だ と2005年には146810トンのe-wasteは2012年には800,000トンになる見込みと書いてあった。この凄い成長に対応すべく、インドの CPCB(Central Pollution Control Board)は2008年にe-wasteのガイドラインを出していて、そこに関わるステークホルダーを、生産者、収集者、運送者、解体業者、リサイクル 業者、その他のe-wasteを扱う人に分けている。なるほど。これだけ関わる人がいる、というかe-wasteビジネスがあるわけだ、、。

当時、色々な文献を漁っている時にExtended producer responsibility (EPR)という言葉にたどり着いた。
Wiki
によれば「(OECD)が提唱した概念であり、「製品に対する生産者の物理的および(もしくは)経済的責任が製品ライフサイクルの使用後 の段階にまで拡大される環境政策上の手法」と定義がある。日本語に訳すと””拡大生産者責任”。(ちょっと固め)そのときは2008年だったのでこの単語 は”CSR”よりもあと数年したら流行るかもしれない!と、当時思ったけど、そこまでは流行らなかった・・。

最後に明るい話、かのグリーン ピースが ”indian guide to greener electronics” というのを(おそらく)毎年出していて、2008年に見たときには”インド企業の対応は他の先進諸国に比べて劣っている”とい う結論だった。最近みてみたら、どうやらインド企業、特にWiproなんかの取組みはかなり進んでいるみたい。一方東芝、デル、サムスンはマイナスポイン ト、、という記事もあった。頑張れ、インド企業!

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コメント

  1. tomonarit より:

    “不法に投棄された e-wasteから少しでも金銭になる部品を取り出そうと、それが有毒であることを知らない貧しい人々が病気になってしまうという悲しい仕組み”
    こういく仕組みが既にあるんだね。
    日本みたいにお金を払ってPCを捨てるようなシステムでは、途上国ではみんな不法投棄しちゃうだろうから、上記の悲しい仕組みはなくならない。逆に、安全に貧しい人々がリサイクルから若干の利益を得られるまっとうe-waste処理ビジネスが途上国で誕生することを期待したいです。

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