白熱するアフリカ携帯市場

アフリカの携帯電話市場で、携帯通信会社間の価格競争が激化しつつあるようだ。ウガンダとルワンダの最近の価格競争についてのニュースを紹介。

  • ウガンダ(1sh(ウガンダシリング)≒0.037円)

Warid、ZAIN、MTN、Ugandaテレコムの4社が市場争いを繰り広げている。New Vision Onlineの記事によれば、9月後半の一週間で各社が次々と値下げを発表している。まず、Waridが値下げ(他社への通信も含めてsh5/秒=11.1円/分)を発表すると、翌週にはMTNとUgandaテレコムがそれぞれ値下げ(sh4~sh5/秒=8.89円~11.1円/分)を発表。さらに、翌日にはZAINがより大幅な値下げ(sh3/秒=6.66円/分)を発表した。ZAINの値下げはそれまでの価格帯(sh9~sh11/秒)から比較すると66%ものディスカウントである。各社の通話プランもバラエティがあり、同一通信会社同士の通信は割安で他社へは割高になるプランや、最初の5分間はsh6/秒で、その後はsh3/秒になるプラン(MTN社のプラン)などがあり、各社、様々な選択肢を提示し顧客確保に努力している。

  • ルワンダ(1Rwf(ルワンダフラン)=0.142円)

MTN、Tigo Rwanda、Rwandatelが同日に値下げを発表している。The New Timesの記事によると以下のようなキャンペーン合戦が繰り広げられている。
MTNが12年周年を記念し、12日間限定の通話料80%ディスカウントのキャンペーンを走らせると、それに対してTigo Rwandaは、通話料89%ディスカウント(Rwf10/分=1.42円/分)のキャンペーンを“Rwandans did not have to wait for 12 years to enjoy such a discount”という宣伝文句と共に発表。対抗意識丸出しのなかなかイケてる宣伝文句である。一方、RwandatelはRwf3/分=0.426円/分のキャンペーンを打ったり、Tigo Rwandaが最初の3分だけ課金して、後は無料(Tigo間の通信のみ)といったキャンペーンを実施するなど、ウガンダ同様、色々な工夫で各社顧客を奪い合っている模様。

このような価格競争を起こすには、通信市場を民間企業に開放し、自由競争を認めることが第一歩と言える。
両国に見られるような価格競争によって、一般ユーザが低価格でサービスを利用出来るようになる。そして、携帯普及率の向上が所得向上(GDP向上)にプラスの影響をもたらすという調査結果もあるとおり、より多くの人々が携帯を使えることで、裨益するようになる。エチオピアのように国営企業が市場を独占している状態では、価格競争が起きない。やはり、市場開放という第一歩を政府が踏み出すことが必要。

また、通話料の価格競争に加えて、アフリカの会社がヨーロッパで開催された携帯アプリのコンテストで賞を取ったとうニュースがあった。ケニアに住むウガンダ人が開発したiCheki(スワヒリ語でI seeという意味)という、タクシーの場所がわかる機能を持つアプリだ。政府が適切な政策で民間企業が自由に競争できる場を整えることで、ユーザにとってリーズナブルで便利なサービスが増え、それが国の発展にも繋がる。政府の役目はそういう環境を作ることと、ビジネスの対象からもれてしまうような本当にBottom of the Bottomを支援することなんだろうと感じる。

しかし、アフリカの携帯電話市場はこれからどうなっていくのか?価格競争も様々なサービス提供もちょうど今始まったところと考えると、今後どうなるか楽しみである。

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3. その他
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コメント

  1. […] そういえば、以前このブログでもケニア政府がローカルコンテンツ作成支援をしているという記事を書いたが、そんな政府の支援もこういったアプリの誕生の背景にはあるのかもしれない。また、低価格のスマホが普及したのもケニアは早かったのだろう。さらに、これまた以前に紹介したネタですが、ケニアに住むウガンダ人が開発したiCheki(スワヒリ語でI seeという意味)という、タクシーの場所がわかる機能を持つ携帯アプリが、2010年にヨーロッパでの携帯アプリコンテストで賞をとったこともある。ケニア、やるなぁ。 […]

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