全ての児童にPCを・・・ $25コンピューター登場

教育・人間開発

先進国でも途上国でも、全ての児童がコンピューターを利用出来るようにと、イギリスのRaspberry Pi FoundationというNGOがリーズナブルなPCを開発した。そのお値段、なんと25ドル!驚きの価格。しかも、カメラがついてる(←中央の四角いやつ)!

スペック以下のとおり。

700MHz ARM11
128MB of SDRAM
OpenGL ES 2.0
1080p30 H.264 high-profile decode
Composite and HDMI video output
USB 2.0
SD/MMC/SDIO memory card slot
General-purpose I/O
Open software (Ubuntu, Iceweasel, KOffice, Python)

これで途上国の学校にもPCが整備されやすくなるか、と思ったら、下の写真でわかるように、モニタやキーボード、マウスといった機器は付いていないので、別途用意する必要がある。


開発した側の意見では、壊れた機器だけ交換できるから修理が簡単だし、TVに差し込んで使える点などがアピールされてるが、一方、OLPC NEWSというサイトでは、結局25ドルと価格メリットがあっても、キーボードやモニタ、ディスクなどを揃えたら高くなるじゃん、という点が指摘されていた。確かに、これなら100ドルスマートフォンの方が魅力的だ。でも、OLPCの出現によりネットブック市場が出現したように、この25ドルPCにより、同様に超小型PC市場などが出現する可能性も。

OLPC NEWSの最後に、「とはいえ、所詮ハードはハードでしかなく、教育現場でのIT利用に必要なのは、教師向けトレーニングやコンテンツ、地元でのメンテナンス、地域(住民・親など)の理解と支援である」といったことが書いてある。なるほど、その通りだ。

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コメント

  1. アベバ より:

    う~ん、CPUだけじゃダメでしょ・・・というのが率直な感想。モニターやキーボードがなければ、PCとして機能を果たさないもんね。結局$25じゃ使えないということになる。全ての児童にPCがゆき渡る道程は遠そうにも思えますが・・・

    否定するのではなく、PCを使って何をしたいか?できるのか?それによっては、直観的に操作できるIPADとかタブレットの方が有効な場合だってあるんじゃないかな。画一的なバラ巻きではなく、ニーズに適った機材と機材を使いこなすための教員を適所に配備することのほうが現実的。

    アフリカ諸国で携帯が爆発的に普及したのは、有線に比べて無線の方がインフラ整備がしやすかったということもあるけど、教育を要さない操作性というファクターも見逃せない。

    ところで、OLPCって今、どういうことになっているのでしょう?

    • tomonarit より:

      アベバさんの意見にまったくもって同感ですが、それでも、こういう製品が出現したこと自体は、なかなか面白いですね。今後、こういう選択肢があるってことが、PC利用の可能性を広げていく点になんか期待したいです。あと、個人的には結構欲しいです。
      OLPCについての情報を最近ブログにも書いてないので、改めてどんな感じか調べてみようかと思います。また、書きますね。

  2. […] このように考えてみると、前回紹介した25ドルPCにも可能性を感じる。25ドルPCそのものは役に立たないかもしれないが、BOPをターゲットにしたPCのジャンルが活性化したり、それによりPCのコモディティ化が促進されれば、人々の生活に役立つサービスが誕生することが期待できるからだ。 […]

  3. Ozaki Yuji より:

    この25ドルPC、G-SHOCKっぽい耐ショックウレタン外装になり、接続した携帯電話を表示・入力デバイスとして利用できるようにならないか、と期待しています(携帯電話をスーパーガンダム化するパーツのようなもの)。

    あるいは、標準装備されているカメラを利用し、カメラの前でのジェスチャーによりポインティングデバイスを操作するソフトウェアを組み込んだり、2台接続して片方を投影式キーボード、片方をプロジェクタとして使ったり、ヘッドマウントディスプレイと組み合わせてスカウター、10台接続(合体)して並列コンピューティングなど、40歳を過ぎた子供の夢はひろがります(笑)。

    OSも、Linuxは一部ディストリビューションがARMに対応済み、Windowsも次期バージョンから対応する可能性が出てきましたね。

    参考:タッチパネルと内蔵プロジェクタを装備したデジタルカメラ(Nikon COOLPIX 1100pj)は既に存在しています。プロジェクタはまだ輝度が足りないですけどね。

    • tomonarit より:

      夢はかなり広がりますね。これそのもは、まだまだ足りない点がありますが、こういう可能性を考えると、楽しみですね。

  4. これいいですね。途上国の小学校には、破壊の限りを尽くされたPC本体とは対照的に、しっかり動作するキーボードやマウス、CRTなどがどっさりあります。カメラ付きってところに惚れました♫

    • tomonarit より:

      コメントどうもありがとうございます。(超遅い返信でスミマセン。。。)
      協力隊の方でしょうか?
      途上国の現場から、またコメントしてもらえればと思います。
      今後ともよろしくお願いしますね。

  5. Ozaki Yuji より:

    製造開始っぽいですよ(マイナビニュースより)。
    http://news.mynavi.jp/news/2012/01/12/041/index.html

    “OSは、Debian、Fedora、ArchLinuxなどをサポートし、Raspberry Pi Foundationはこれらのディストリビューションを収めたSDカードを提供する予定だ。”
    最新版のAndroidはダメそうだけど、Debianが走れば(クロスコンパイルで)なんとかなるかな….。

  6. […] インドの35ドルタブレットとか、最近生産が開始された25ドルPCとか、途上国向けの格安ハードがどんどん出現してきましたが、OLPCがそいうった他のハードと差別化出来て成功するかは、その裏にある仕組みが構築出来るかにかかっているのかもしれない。それとも、ハードやOSの壁を超える“途上国向け教育クラウトド”的なプラットフォームが出現するのが先でしょうか。と、こんなことを考えていたら自分もタブレットが欲しくなってきた。iPadかAndroid端末かどちらにしようか・・・。スティーブ・ジョブズを失ってもAppStoreは今後も期待出来るのか、それとも、途上国市場も視野に入れて活動しているGoogleのAndroid Marketが今後の勝ち馬か?悩ましいなぁ。 […]

  7. Ozaki Yuji より:

    この項、まだ追っかけてます。
    2つの「35ドルコンピューター」 世界を変える教育用デバイス – Cloud Watch】
    ——
    Raspberry Piは、Pi Foundationのライセンスを受けた電子部品販売のRS ComponentsとPremier Farnellの2業者がWebで注文受付を開始したが、アクセスが殺到して両サイトともクラッシュ。用意した最初の出荷分はあっという間に完売したという。Pi Foundationはさらに、イーサネットやUSBを省略して安価にしたモデルを25ドルで販売する計画だ。製造は中国に委託している。
    ——-
    上記記事では、インドの国策タブレット「Aakash」についての言及もありますね。

  8. Ozaki Yuji より:

    日本でも3400円で手に入る様子ですが、2012年3月8日時点で入荷待ちですね。
    http://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=raspberrypi

    • tomonarit より:

      日本でも買えるんですね!
      好奇心から欲しいような、でも実際は要らないような、
      微妙な感じですね(^_^)

  9. […] 「Google、10代向けに「ゼロからプログラミング」ワークショップ Raspberry Piで初歩学ぶ」とのニュースを見ました。ほほう、そんな取組がなされていたとは。このRaspberry Piについては約2年半前にこのブログでも紹介してましたが、その後、先進国、途上国を問わず結構売れている様子。25USDという価格から途上国では学校に導入されるプロジェクトもいくつか行われている。例えば、スワジランドの例がこちらに掲載されていました。カメルーンのケースはこちら。 […]

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