途上国オフショア拠点の位置づけが変わっていく可能性

先月の日経コンピュータにちょっと気になる記事があった。「IBMがオフショア拠点でコンサル開始 新興国市場への参加を一元的に支援」というもの。

これまでオフショア拠点といえば、安価な人件費を背景に比較的単純な作業のアウトソース先としての位置づけだったと思う。例えば、インドのシステム開発会社に単純なプログラミングや単純な運用作業をアウトソースするなど。しかし、IBMはインドや中国などの新興国においては、現地拠点でシステム開発に取り掛かる前のコンサルティングサービス(市場分析や戦略策定など)から提供していくという。これにより、システム開発の上流から下流までのサービスをオフショア拠点でワンストップで提供出来る体制となる。

BOPビジネスなどを含めて企業の途上国進出が進むと、このようにIT産業分野もそれに付随して現地での体制やサービスを拡充していくことになる。これまでの単純作業のアウトソース先としての途上国IT産業から、その位置づけが変わっていく可能性を感じた。途上国のIT産業振興を考えたときに、ITだけでなくその他の産業における先進国からの企業進出や企業誘致がIT産業を刺激するという視点も大切。前回のKanotの投稿「バングラデシュのIT産業の可能性」との関連でいけば、ユニクロやワタミといったIT企業意外の日系企業がバングラに進出することで、日系IT企業にとってのバングラ市場の見方が変わってくるのだろう。途上国のIT産業振興を考えるうえでは広い視野が必要だと改めて感じた。(とはいえ、BOPやCSRより、むしろこっちの視点のほうが、IT企業の途上国進出の一般的な理由だろうなぁ)

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