アフリカ×ICTの可能性

Kanotの投稿「世界人口の3割がインターネットに接続」でITUのレポート「States of Broadband:2012」について述べられていましたが、そのなかからアフリカにフォーカスしてみた。まずは以下のグラフ。

アフリカのインターネット人口は他の地域と比較すると、100人あたり12.4人とまだまだ低い。さらに、同じITUのレポートからもう一つグラフを紹介。

アフリカにおける固定回線でのブロードバンド利用者数は、100人あたり0.2人という数値。低い・・・。
これだけ見ると、アフリカのICT分野は「まだまだだなぁ・・・」というネガティブな感想を頂く方が大半と思うのですが、以下、ポジティブなデータも紹介(ITUのレポートじゃないですが)。

以前このブログでも紹介させてもらった本、芝陽一郎さんの「アフリカビジネス入門」からのデータ。アフリカと中国とインドのインターネットユーザーを比較した表です。こう見ると、以外なことに、あのIT大国インドよりもアフリカ全体の方がインターネットユーザーが多いのです。さらに、その成長率は凄い。
続いて、もうひとつポジティブなデータ。

以前このブログでも紹介したアフリカのFacebookユーザー数が7ヶ月ごとに2倍となっているというICTWorksの記事と、最近のFacebookユーザー数をInternetworldstats.comを拾ってみたものです。ここ1年くらいの伸び(27.4million(2011年5月)から43.4million(2012年6月))については、2倍とは言えないけれど、そでも世界でのユーザ伸び率(2011年7月(750million)から2012年1月(800million))より高いと言える。そして、Facebookのサイトによると、約半数のユーザーがPCではなく、携帯電話からFacebookを利用しているという。そこで、以下のデータを紹介。

GSMAによるアフリカの携帯電話普及率(2011年時点)と、その後の予想。これ見ると、とりあえず年30%の伸び率で成長していることがわかる。

最初のグラフを見ると、インターネットユーザー数やブロードバンド利用者数の少なさから、アフリカのICT分野は「まだまだ・・・」というネガティブな感想だが、インドとの比較〜携帯普及率の伸びまでを見てくると、結構ポジティブな感じがしてくる。「思ったより、ICTの可能性って高いんじゃない?!」といったところか。
そこで、最後にアフリカのバックボーンネットワークとなる海底ケーブル環境についてのデータをご紹介。

最初の2枚は2009年と2012年の海底ケーブルの図。線の太さがキャパシティを表しているので、かなり改善されたことがわかる。3枚目はあくまでも予想図であるけれど、2009年から2012年の成長を考慮すると、これからもバックボーンが改善されていく可能性はありそうだ。

と、ここまで色々と見てきましたが、結論として「アフリカのICT分野の可能性があるのか、まだまだなのか?」という問いに対して、「(アフリカ好きな自分としては)可能性大」と言いたい。最初のITUのデータのように、世界に比して、極めて少ないインターネットユーザー普及率&貧弱なブロードバンド普及率であるにも関わらず、インドより多いインターネットユーザー数、Facebookユーザの伸び、そして携帯電話の成長と、世界平均以上のICT分野の成長が見て取れる。今後、海底ケーブルの整備や各国内の通信網改善が勧めば、さらなる成長が見込まれるだろう。今は、ICTアウトソースがミャンマーブームですが、今からアフリカに目を向けておいても面白いんじゃないだろうか。

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