世界初のタブレット・カフェがセネガルにオープン

セネガル(西アフリカ)の首都ダカールに、世界で初めてのタブレット端末(iPadなど)のみが置いてあるインターネット・カフェがオープンしたとのこと。

私も記事を読んだとき、最初は「ふーん」という程度の印象であったが、よくよく読んでみると意外と興味深い発見が隠されていた。

 まず、ダカールでインターネット・カフェを経営していたDeme氏は、頻繁な停電と、高い電気料金に悩まされていた。そこで知り合いのGoogle社員に相談を持ちかけ、このタブレット・カフェという発想にたどり着いたとのこと。

 個人的に面白いと感じた点を挙げてみる。

・世界初のタブレット・カフェ!
・アフリカの人にとってタブレット端末はまだ高価であり、庶民には手が届かないものに気軽に触れる環境を提供している。
・電気代が1/25に減少!!
・停電になっても影響なし。

特に後者2つはアフリカなどの途上国にとっては非常に大きいメリットと思うし、途上国でよく見かける山のような故障PCゴミ(元々は先進国から善意で寄付されたもの)も考えると、ゴミとして非常に少ないという点も大きく環境負荷が低い。

我々が思っている以上にタブレット端末には革命的な力が入っているのかもしれない、と改めて感じた記事であった。

最後に、この投稿を書きながら一つ話を思い出した。

タブレット端末の元祖であるiPadの発表時の演説でSteve Jobsが「新しい端末は、ノートPCより便利で、携帯電話よりも便利な物でなければ意味がない。(当時流行っていた)ネットブックではただの小さい安物ノートPCであり、ノートPCよりも携帯電話よりも不便で使い物にならない。」と批判した後にiPadを出し、拍手喝さいを浴びた。彼はこのくらいは軽く見通していたんだろうな。

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コメント

  1. tomonarit より:

    面白いですね!
    ありそうでなかったタブレット・カフェ(とでも言いましょうか)。
    特に省エネって点は大きいですね。先進国でもネットカフェの端末がタブレットに置き換わってもおかしくないですね。

  2. 瀬畑陽介 より:

    先日、Addis AbebaのICT ExhibitionではThin Clientが展示されていました。これも停電対策に有効かな?なんて思ったりしました。
    依然としてServerには停電対策が必要なので、タブレットには敵いませんね。

  3. Kanot Kanot より:

    >tomonaritさん
    そうなんですよ。バングラデシュでも、オフショアやってる会社で停電対策のUPS代が馬鹿にならんということで、ノートPC化した会社がありましたが、同じ発想ですよね。
    とはいえ、日本にいては思いつかないですよね。

    >瀬畑さん
    コメントありがとうございます。もちろん目的次第とは思いますし、シンクライアントであればサーバにさえUPS付けとけばデータが飛ぶことはないので安上がりではありますね。私の持っている携帯電話・ノートPC・タブレットでは、一番電池の持ちがいいのはタブレットです。適度に大きいんでしょうね。

  4. Ozaki Yuji より:

    iOS機器には、Apple Configurator(一括設定ツール)もあるので、一般的なWindows系コンピュータよりキッティングとか運用管理は楽そうですね。

    基本サービスである外界との通信を、個々のタブレット端末に任せ切ることができるならば、プリントアウトサービス(コンビニのマルチコピー機を利用する例)なんかも、Wifi(LAN)内での提供に拘らなくてもよさそうですね。

    電源については、日本ではむしろ落雷による機器へのダメージ対策がメインかも。最近では、NTT東日本がフレッツ光契約者向けに雷防護アダプタの無償取り付けを開始しています。

    開発系では、働き方がロケフリだったり軽量プログラミング言語がメインならば、ラップトップの方が確かに管理も運用もラクです。ただし、成果物データはクラウドなり何なりでしっかり二重化することが必須条件になりそうなので、そこは通信インフラがしっかりすることで(外部クラウドサービスの利用)、個々の事業所のコスト負担を低下することができそうですね。

    キャリブレートされた高解像度モニタを必要としたり、動画編集や一部のゲームなどのマシンパワーがぶ飲みのタスクは、もうしばらくデスクトップ機器の方がいいでしょうけどね。

  5. hidehara より:

    なるほどー、面白いですね。タンザニア人の友人に、インターネットカフェの店舗を増やす時のアイデアを求められてたので、さっそく伝えてみます!
    先日行ってきた時、iPadは超高額(100万シル越え)だったのですが、AndroidTabletは安価なものが(50万シルを下回るものもあったと)出回ってました。

    まだICT情報少ないのですが、ブログかいてます。よろしければ。
    http://hideeastafrica.wordpress.com

    その他の情報も大変有用で、ありがとうございます。

  6. Kanot Kanot より:

    >Ozakiさん
    おそらく、このカフェはGoogleの息がかかっているのでAndroid端末のタブレットカフェではと推測しています。でもほんとPCか否かというだけで電源以外の部分の構成も大きく変わってきますね。

    >hideharaさん
    コメントありがとうございます。やはり途上国だと、安いAndroidからスタートでしょうね。ブログも見させていただきました。東アフリカを中心とした情報、なかなか日本語では手に入らないですし、参考にさせていただきますね。

  7. yukke より:

    おもしろいですね、テレセンターの収益性を改善するために、タブレットをレクチャー台のようなものにはめ込んで盗難防止、固定されているのでみんなで見やすい、だれも使っていないときはデジタルサイネージで広告流しておく(通りから見えるようにしておく、広告収入を得る)、なんて使い方を想像したことがあります。パソコンよりメンテ楽だろうし。SONYとか画面サイズの大きなものを出すようになってきているので、公共系ではずっと使われ続ける仕組みになるのかなあ、と。

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