アジアがモバイル市場の中心に

世界のスマートフォン市場はここ5年間の急速な成長により、1兆ドル規模に達し、その後頭打ちになってきている。そして成長はアジアを中心とした途上国へ移ってきている。

ITUの統計によると、2013年、途上国のインターネットユーザー数が先進国をはじめて上回り、途上国のユーザ数は2007年の27倍にも達する。それに伴いモバイル市場も欧米からアジアに移ってきており、スマートフォン世界シェアの半分を占めるAppleとSumsongも同様に戦略を見直す必要性に迫られている。また、アジア市場は拡大の一途をたどっており、今年中にはアメリカと欧州を足したインターネットユーザー数を超えると言われている。

そのアジア市場で登場してきているのが、格安の低機能スマートフォンである。世界で最大の市場規模を誇る中国では、10億人の携帯電話ユーザーのうち3G通信が可能なのは五分の一に留まるものの、Xiaomeiなどのメーカーは、スマートフォンをiPhone5の半額以下で販売している。そして世界で二番目の規模を誇るインドでも、低機能ながら50ドルのAndroidスマートフォンが出てきており、来年にはもう20ドル廉価なものが出てくると言われている。

このように、これまで高機能高価格で動いてきたスマートフォン市場が変わりつつあり、先進国を中心に売り上げをあげてきたAppleも廉価版のiPhoneを計画するなど戦略を見直しつつある。

以上がロイター通信の記事を要約したものである。

そしてこの記事を読んでいて感じたのが、スマートフォン市場が一般の家電市場に近づきつつあり、市場の拡大とは裏腹に低価格という消耗戦となり、先進国企業は利益を生みにくくなっていくのではということである。それに比べて、高機能と低機能がうまく共存しているのが自動車市場である。果たしてAppleは日本の家電産業のように低価格競争に飲まれてしまうか、ポルシェのような存在でいられるか、楽しみである。

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