OLPC @エチオピア

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明日からエチオピアへ行ってきます~。2年ぶりの訪問でエチオピアがどう変わっているかを見られるのが楽しみ。と、いうわけでエチオピアのことについて書きます。エチオピアのICT4D関連情報を見ていたら、結構知らないことが多かった・・・。なかでもOLPCの取組でBBCでも取り上げられるような実験的取組が行われていたとは・・・。

もう一年前の話ですが、それは、エチオピアの学校も電気もない道路標識すらない田舎町(首都アジスアベバから50マイル=80Km位離れた村を2つ選んで)で、約20名の子供達(小学校1年生位)にOLPCタブレットが入った箱をあげるというもの。取扱説明とか指導とはまったくなしの状態。箱すら閉じたまま。英語だと「Drop off」って書かれていたので、まさに「ポンと置いてきただけ」という感じ。そこで、子供たちがそのOLPCタブレットをどう使うのかを定期観察するという実験。どう使うのかのモニタリングは、週一で訪問した担当者がOLPCタブレットからSIMカードを抜いて、データをとって、この一週間でどんなアプリが使われたかの情報収集をするという方法。

で、結果はどうか?というと、箱から出してOLPCタブレットの電源ボタンを発見しOnするまでに4分。試行錯誤をしつつ5日後には47種類のアプリを使うほどに。アルファベット学習用アプリやお絵かきアプリをつかって自己学習することが出来るようになったという。ニコラス・ネグロポンテ氏はこの結果に満足気。世界中で学校に行けない子供1億人には、こういうツールが必要だという持論を言ってます。

この実験について、BBCでもWebでも、実験としてこのようなことをする点に倫理的な観点から異議を唱える声なんかもあります。自分はそういう観点ではなく、学校に行けない子供にとって教育の機会を提供する方法として、この方法が良いのかがわからない。完全に否定派というわけではないのですが、OLPCはあくまでもOne of themの教育ツールなんだと思います。これがあれば学校いらず、教師いらずというものではなく。そしてこのプロジェクトが小学生低学年を対象にしている点に、なんとなく「小学校のうちから、タブレットに向かって一人でコツコツ勉強するよりも、外行って遊んで来い!」的な、「東京メトロでスマホいじっている制服姿の小学生に違和感を感じる」的な、思いがするんです。この点は単に保守的なだけかな・・・。

ただ、教師不足なら教師を増やす、学校不足なら学校を作るってのがシンプルなソリューションですが、そう出来ないからICTを活用しているという状況も理解するし、大きな可能性も感じます。
昔から賛否両論のOLPC。でも、一時期のブームに終わらずに継続的な取組として、約40ヶ国に合計300万台ものPC、タブレットを配布している点は素直に評価出来ると思ってます。アムハラゴ語のキーボード(下記)も作ってるし!エチオピアに行ったらどっかで購入してみたい気もします。

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Uncategorized教育・人間開発
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コメント

  1. アベバ より:

    明日からエチオピアですか。うらやましい。OLPCの実験結果、興味深く読みました。ICTをいかに開発に役立てるかという議論の場ですが、私は記事を読んでICTの可能性より、それを使いこなしてしまうヒトの可能性に感銘を受けてしまった。埋もれた可能性を引き出すツールとしてICTを活用する場合、どの層を対象にするのが一番適当なのだろう?昨晩確かNHKで東大がネットキャンパスを始め、留学機会の得られなかった途上国を中心とした埋もれた天才の可能性を引き出すというようなコンセプトの番組をやっていました。ICTの力は使いこなしてナンボのもの。初等教育の代替には厳しい気がするなぁ。

    • tomonarit より:

      人間の可能性!って確かにそうですね。ICTの可能性ってよりもそっちかも。注目すべきは。東大がネットキャンパスを始めたんですね。スタンダードやら有名大学がオープンエデュケーションに積極的になっているし、そいう流れですかね。誰でもどこからでも質の高い教育が受けられるようになるというメリットが大きい一方で、ネットで学位まで取れるようになってしまうと、有名校でない大学機関にとっては、生徒が入学してこなくて困るという話も。途上国の優秀な学生がネットを使って今以上に海外大学に行ってしまう・・・ってのは、途上国にとって良いことなのか悪いことなのか?これも複雑ですね。

  2. […] 肯定派としては、「ノートPCを子供に与えるだけで自分達で自然と自己学習を始めた」事例を語るOLPCのニコラス・ネグロポンテ氏や、「インドのスラム街の壁に誰でも自由に使えるパソコンを設置したら子供が勝手に語学や科学とかまで勉強するようになった」事例(壁の穴)を語るスガタ・ミトラ氏が有名。この本でも両者の主張は紹介されています。 […]

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