カッコいい途上国開発援助

3. その他

FacebookにDonate Now(今すぐ寄付)ボタン機能がついた。結構いろんなニュースで取り上げられていますが、Techcrunchの記事「Facebook、NGO向けに「今すぐ寄付」ボタンを導入。支払い情報収集効果も」が詳しい説明がついててよかったです。クラウドファンディングの雄であるKivaやUNICEF、OXFAMなどを含む19のNGOがまずはこの機能を使えるとのこと。今後、他のNGOにもサービス展開をしていくという。

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ふと、大学生の頃に国際援助関連の授業で書いたエッセイを思い出した。
自分は非常に不真面目な大学生で授業もまともに行かず雀荘にばかり行っていた。そして当時は国際協力に「なんとなく」興味はあったものの、やる気で入った国際協力サークルも、ものの数週間で全く行かなくなるといった程度のものだった。

それでも授業では「国際援助論(確かこんな名前だったと思う)」という講義を取っていた。1回しか授業は行かなかったけど、エッセイを提出すれば単位が取れるらしいということで、最後のエッセイだけ書いた。(当時、パソコンを持っておらず、手書きで書いたエッセイを姉に頼んでワープロ(←懐かしい・・・)でタイプしてもらった記憶があるが、時代を感じるなぁ。)

まぁ、ろくに授業に出ていなかったので、書ける内容はあくまでも自分の考えていることのみ。なので、当時思っていたことを書いた。それは、「援助とか国際協力って、真面目で道徳的な人達がやってて、カッコよくないイメージだ。もっとカッコいい援助や国際協力のスタイルがあれば良いのに・・・」というもの。例示したのは、渋谷とかにあるお洒落なフェアトレードショップでした。1995年頃の話なんで、まだ今ほどフェアトレードとかがメジャーじゃなかったんだと思う(もしくは、自分が知らなかっただけかも)。まぁ、「真面目な人がやっている=カッコよくないイメージ(ダッセーみたいな感覚)」という思い込み自体が今から思うと非常に間違っているのだけれど、当時はそう思っていた。真面目に途上国開発を語って「だからあなたも寄付しなさい」みたいなことを言われると、ウゼーって思ってました。
そいで、もっとお洒落にスタイリッシュにカッコ良い援助・国際協力ってのがあれば良い、そういう選択肢が少なすぎる、というようなことをエッセイに書いた。んで、大学時代の成績の超レアなA評価をもらった。それもあって、大学時代に書いた課題エッセイの内容なんてほとんど覚えていないのに、何故かこのエッセイだけは良く覚えている。

このFacebookのDonate Now機能のニュースを見ていたら、当時の自分でも「カッコいい」と思うような援助・国際協力の方法が、かなり広がったなぁという気がした。クラウドファンディングとかBOPビジネスとか。
そして、自分がICT4Dを専門に選んだ理由もこの「カッコいい」途上国開発がしたいという思いからだったと気づいた。SVP東京さんでの登壇などでも述べさせてもらったように、「ICTが途上国にホントに必要?保健とか水とか教育とか、もっと重要なものがあるんじゃない?」とう質問に対して自分が思うのは、「ICT、カッコいいから途上国の人だって欲しいじゃん」ってこと。金がなくてもたばこや酒を買っちゃう人がいるように、「必要なもと欲しいものは必ずしも同じじゃない」。途上国で携帯が爆発的に普及したのは、プリペイドなどいろんな理由があるけどれ、やっぱりカッコいいからという要素は強いと思う。そして、そこからモバイルバンキングとからモバイルヘルスといった開発に資するサービスが生まれている。

ICTを活用して、さらに多種多様なカッコいい援助・国際協力のオプションが出てくるといいなぁと改めて思った。しかし、大学時代はホントに勉強しなかったなぁ・・・。

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3. その他
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コメント

  1. Ozaki Yuji より:

    毎度面白いネタありがとうございます。
    FacebookのDonate Nowボタンの利用にあたり、AppleのiTunes Storeのように、プリペイドカードでのチャージができれば面白いんですが….と考えたのですが、今のiOS(Facebookアカウントがシステム環境で設定できる)を見ていると、iTunes Storeのチャージ→FacebookのNGO向け寄付が、アプリ内課金の仕組みを使えばサックリと実現しそうな気もする、というか、もう話が進んでいるのかもしれませんね(米国の501(c)(3)法人向け)。他にはPayPalやSMSでの小額寄付などを取り込めば、より面白そうです。

    クラウドファンディングでも1000万円程度の資金が調達可能な時代なので、「支出と報告に凄まじい面倒やコストがかかる」「資金のうち20%以上を事務処理コストに取られる」ような、ガチなひも付き資金からは、尖ったアイデアが徐々に離れて行ってしまうかもしれませんね。

    • tomonarit より:

      Ozakiさん
      いつもコメントありがとうございます。

      「支出と報告に凄まじい面倒やコストがかかる」「資金のうち20%以上を事務処理コストに取られる」

      ような資金援助は、それはそれで必要なものとして引き続き活用されて行くのだと思います。でも、そうではない選択肢がどんどん増えて行く傾向ってのが良いですね。
      援助や開発の方法が多様化することで、より多くの人、モノ、金が途上国の発展のために活用されるようになれば…と思います。

  2. […] 先日取り上げたFacebookのDonate now機能やLinkedInのボランティア業務検索機能といったように、途上国援助に関わるためのハードルはICTによってどんどん低くなって来たなぁ、と感じる。これは間違いなくICT4Dの大きな効果の1つだと思う。人(ボランティアのマッチング)と金(クラウドファンディング)は確保できる仕組みが出来てきたから、次はモノか? 「売ります・買います」サイトみたいのの世界版・・・、なんか違うな。さて、次はどんな新しいサービスが出てくるのか?もっともっと途上国援助に関わるためのハードルを下げられるような仕組みや、以前このブログに書いたアイデア(下記のもの)のような取組みも出てくるかな? […]

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