ポストMDGsのICT4D研究優先課題

たまには固いタイトルでの投稿を。

途上国支援に携わっている方はご存知と思うが、ミレニアム開発目標(MDGs)という開発分野に関する国際社会の共通目標の達成に向け各国・援助機関等がプロジェクト等を行ってきている。2000年にまとめられたもので、8つの目標分野がある。

現在国際社会では、これの更新版、ポスト2015年開発目標(ポストMDGs)の策定が進められている状況である。

さて、このポストMDGsではICTはどのような位置づけになるのだろうか。おそらく具体的な名称として目標分野に入ることはMDGs同様ないのだろうが、各開発課題の達成に向けてICTの活用がキーとなることは変わらない。

前置きが長くなったが、そういった視点から、ポストMDGsにおけるICT4Dの優先研究分野について、最近の116本のICT4D論文から傾向を分析した結果が、マンチェスター大学のHPにRichard Heeks教授名で掲載されていた。

まずは以下の図。現在検討されているポストMDGsとICT4D研究のギャップを示したものである。中央線を越えているものは既に研究結果がある程度現れている分やで、下回っているものは研究数に不足があるものとのこと。

di-research-gaps-chart

更に分かりやすい図はこちら。

di-research-priorities-map

開発分野とギャップをマトリックス上に示したものである。こう見ると、確かにこれまで研究も多かったであろうMobile, Social Media, e-Health, e-Learning, e-Governanceなどはそれなりにギャップは少ない。一方で、e-EnvironmentやICTs and Povertyやe-Agriculturなどがギャップが大きく、今後の優先的な研究分野として検討できるのではと締めている。

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コメント

  1. […] ポストMDGにおけるICT4DおよびWSISの位置づけがどうなるか?というテーマで書かれたマンチェスター大学のワーキングペーパー「ICT4D 2016: New Priorities for ICT4D Policy, Practice and WSIS in a Post-2015 World」を読んでみた。これは、以前このブログでも「ポストMDGsのICT4D研究優先課題」としてKnotが紹介していたワーキングペーパーの続編的なペーパーなので、重なる部分もあるもの自分なりに理解した内容(以下4点)を紹介したい。 […]

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