必要は発明の母。んじゃ、父は？

BBCのWebサイトにアフリカの携帯電話イノベーションについての記事があったので紹介したい。「Africa’s mobile boom powers innovation economy」というタイトルのこの記事では、「必要は発明の母であり、アフリカでは先進国とは違った必要性から、独自の携帯イノベーションが起きている…」というような感じで以下のことが書かれている。

• 54ヶ国11億人のアフリカ大陸では、今や二人に一人は携帯電話を持っている。2000年にはその割合が1%であったことを考えると、この普及スピードは凄い。35社以上の携帯事業者がアフリカ大陸で市場争いをしている。
• 固定電話の整備よりインフラ整備の面で携帯電話網の整備の方が容易である点、ノキアやサムソンからバッテリーの持ちが良い携帯端末が停電の多いアフリカ市場に投入されている点なども、携帯普及の背景。
• ケニアのM-PESAは2007年にサービス開始が開始され、今では1.15兆ケニアシリング（ケニアGDPの35%に相当する）の取引がある。M-PESAは他のアフリカ諸国のみならず、インド、アフガニスタン、ルーマニアへも普及している。
• アフリカ1の人口であるナイジェリアの政府統計によると、同国のインターネット普及率は42%まで伸びているが、それでもブロードバンド接続料金は平均収入の約30%と高額であり、人口の半数はアクセスが行き届いていない地方に住んでいる。それでも、GDPの7.8%に貢献するICTはナイジェリア経済発展の主要4軸の1つ(4番目)であり、同国政府は2017年までにブロードバンド普及率を30%まで上げる目標を掲げている。ブロードバンド普及率が10%上がると、GDPが1.3%上がるとの見込み。
• マイクロソフト社の4Afrika Initiativeにより、テレビ放送で使われる周波数の空き（ホワイトバンド）を活用した高速インターネット接続を実現するこころみがアフリカで実施されている。
• ユネスコによるとアフリカでは2,100万人の児童が学校へ行けない状況。インターネットへの接続環境の整備という問題とは別に、ユーザー側のスキルレベルの向上も課題である。（テクノロジーは単なるツールであり）テクノロジーをどう活用するかがより重要な課題。
• 3Dプリンタの活用などが広がるなか、今後、アフリカ初の製品が普及することが期待される。「Aid to Africa」から「Made in Africa」へ！

そして、最後に、「必要は発明の母である。そして、アフリカではテクノロジーが父である」というように占められてました。なるほど、なかなか洒落てる。

また、マイクロソフト社の4Afrika Initiativeについてあまり知らなかったので、この記事をきっかけに少し調べてみた。上記のTVホワイトバンドを活用したインターネット接続のほか、「アフリカ人ための、アフリカ人によるWindowsアプリ開発」とか、「Huaweiと連携したアフリカ向けWindows携帯（Huawei4Afrika：最初からアフリカ人が好きそうなアプリが入っている）」など、マイクロソフト社がここまでアフリカに突っ込んで来ているとは正直驚いた。

Huawei 4 Afrika