携帯電話・SNS中毒に警告@ガーナ

アフリカ

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世界銀行のWorld Development Report 2016によると、サブサハラ・アフリカ地域の携帯電話普及率は73%と言われている。アフリカの中でも結構進んでいるガーナでは、携帯普及率が約128%まで伸びている。「ガーナで携帯どんな感じで使われているのか?」について、自分のガーナ生活もあとわずかとなってきたので、身近で感じる点を書いてみようかと。

まず、自分の職場を見てみるとガーナ人スタッフの多くはスマホユーザー。最新機種じゃないけど、iPhoneを使ってる人もいる。逆に職場から貸与されるガラケーをメインで使っているのは日本人のほうかも。そして仕事上の関係者とのやり取りでもガーナ人同士ではWhatsAppを有効活用している。確かに海外出張中でも国際電話をかけずにやり取り出来るし、電話番号とか名前とかを間違いなく伝えるには音声通話より確実だ。

町中の携帯電話会社の宣伝や看板には「ヤムを捨てて、スマホに換えよう!」というメッセージが書いてある(上記の画像はその一つでTigo社のもの)。「ヤム」というのは、ヤムイモのことでガーナではガラケーのことを”ダサい”という意味を込めて「ヤムPhone」と呼ぶのです(形状的に似てるという意味もある)。やっぱり国を超えてもイモはダサいというイメージなのか(笑)。ガーナでガラケーを使っている人は、ガーナ人に「俺、ヤムPhone使ってんだよね〜。スマホに買い換えたいなー」と言ってみましょう。うけるはずです。

SANYO DIGITAL CAMERA

ヤムイモです

職場の同僚でない仕事で付き合いがあるガーナ人達も結構スマホを活用している。偉い人や重要なポジションの人ほどスマホを使っている気がする。打合せなどで席に着くと、テーブルの上に2〜3個のスマホをドサッと置く人もいる。初対面のとき、名刺交換後にスマホの名刺管理アプリで写真を撮ってさらに「ちょい、顔写真も取らせて」と言われ、その場で名刺と顔写真を登録し、「これで君からの電話はすぐわかる」と言われたことも。しかももう50歳後半の人に。スゲー使いこなしてんなぁ、と驚きました。

そしてミーティング中でも執務中でもちょいちょいスマホをいじっている輩が少なくない。SNSで友達とやりとりしているのか?それともミーティングのトピックや関連事項をGoogleで調べているのか?以前、職場でスマホにイヤホン繋いで聞いている同僚が居たので「何してんの?流石に勤務中に音楽聞いてちゃまずいでしょ?」と言ったら、「ミーティングを録音したのを聞いて議事録書いんだけど…何か?」との返事。おおっ、スイマセン…ってな感じのことも。意外なまでに使いこなしてんなぁ。

更に最近はUberの利用も広がって来た様子。そういえば、日本のように安心し一定のクオリティのサービス(料金も一律、マナーの悪い運転手もそんないない、車も奇麗だし)を受けられる国よりも、ぼられる心配があったり、マナーの悪い運転手が多かったり、ポンコツ車が多かったり…と安心して一定のクオリティのサービスを受けられない途上国の方がUberのようなサービスは浸透するという話を聞いた事がある。そういう意味ではガーナはハマるかも。携帯普及率も高いし。

ちなみに先日、Hello Food(JUMIA FOOD)というデリバリーサービスを使ってみた。スマホアプリをダウンロードして、アクラのレストランからピザ屋を選んで注文してみた。注文後、確認の電話がかかって来て、事前通知の時間どおりにピザが到着。注文時に「60分かかります」と出て来たのですが、流石にそこは途上国。日本のように「30分以内に届けます」とはいかないけど、事前にわかって注文するなら、まぁ許せる範囲。その後も何度か使ってますが悪くない。このサービスはレストランに注文して、それをバイク便で届けてくれるという単純なサービスながら、レストランにしてみるとデリバリー用のスタッフを雇う必要なくデリバリー注文を受けられるのでメリットが大きいのだろう。アクラの外人が使うようなレストランの多くが登録されている。そして、他の多くの国でも使われているサービスだ。

こんな風に携帯電話の利用はかなり浸透している。先日、ガーナの新聞に「Don’t be slaves to mobile phone, social media」という記事が。教員養成学校の卒業式スピーチで校長先生が、携帯電話、SNS中毒にならないように!と警告したという内容でした。学生の多くが携帯電話、SNSに多くの時間を費やしているのを問題視しての発言ということ。いやはや、日本の新聞にあるような記事がガーナの地元新聞にも出て来るとは。

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コメント

  1. […] 既に新興国メーカーが遥かに先行しているにも関わらず、今更感ありありだ。どういうガラケーなのかは分らないが、本当に普通のガラケーじゃ、低所得層も食いつかないと思う。以前の投稿で、ガーナではガラケーのことを「ヤム(やむいものこと)」と呼んでいる事を書いた。「ヤムを捨てて、スマホに変えよう!」という看板が町に立つくらいだ(上記のような看板です)。勿論、田舎ではスマホを持てる人は非常に限られているけど、1500〜2000円でガラケーを買うなら、5000円出して中古のスマホを買いたいというのが消費者の思いじゃなかろうか。 […]

  2. […] ケーなのかは分らないが、本当に普通のガラケーじゃ、低所得層も食いつかないと思う。以前の投稿で、ガーナではガラケーのことを「ヤム(やむいものこと)」と呼んでいる事を書いた […]

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