ソーラーパネルを背負って避難する難民たち

アジア・大洋州

こんにちは、Kanotです。最近世界で大きな問題になっているロヒンギャ難民問題、皆さんもニュース等でご覧になって、気になっている方も多いのではないでしょうか?簡単に説明すると、ミャンマーのラカイン地域に住むイスラム教徒が、ミャンマー軍から迫害を受けてバングラデシュに逃げて来て難民化しているという問題です。この問題についてもっと詳しく知りたい方はこちら

さて、今回の難民たちが家から逃げる時に持って来たものは何でしょうか?

手持ちのお金、最低限の服・・・などがあるかと思いますが、タイトルと絵からご察しの通り、ソーラーパネルを運んでいる人が多数いた、というのが今回の話です。(画像は、めけお氏作)。着の身着のままでソーラーパネルだけを担いで逃げて来た家族もいるとのこと。なぜ彼らは衣食などの生活必需品よりも重くて大きいソーラーパネルを選んだのでしょうか?

ソーラーパネルを運びながら逃げて来た人は、「このソーラーパネルが私の命を救った」と言っています。ミャンマー軍を避けながら逃げるのに一番大事だったのは「情報」で、安全なルートを見つけ出すには携帯電話からの情報が欠かせず、その携帯電話をチャージするのにソーラーパネルが必要だったとのことです。

驚くべきポイントは、ソーラーパネルが夜の懐中電灯やジャングルでの寝泊まりに役立ったというのはありつつも、一番の目的が、携帯電話をチャージするのに役になったという点です。もはや携帯電話が、貧富の差や情報リテラシーの壁を超えて、コミュニケーションツール、そして情報取得ツールとして使われているということです。

では、彼らはわざわざこの退避のためだけにソーラーパネルを手に入れたのかというと、もちろんそういうことではなさそうです。そもそも、彼らの住んでいるエリアは電気の普及率が高くなく、ソーラーパネルを日常の電気確保に使っていたようです。ミャンマーではソーラーパネルが安く、20ワットのパネルが約$15で買えるため、比較的普及しています。バングラデシュで同じものを買うと8-12倍の値段がするそうで、その事が情報として入っていたため、このような行動に至ったとのことです。

また、難民キャンプまでたどり着いた後も、ソーラーパネルがキャンプ生活に役立っているそうです。まずは安全確保上の問題です。難民キャンプには電気が来てないケースが多く、夜の盗難やレイプなどから身を守るためにもライトが必要とのこと。また、電気があれば浄水することもできるとのこと。もちろん携帯電話の充電もできます。

英語の原文を読みたい方はこちらです。
ロイター通信:Feeling Rohingya carry one key asset: solar panels

ここからは記事の感想ですが、まさか難民キャンプに逃げてくるような人がソーラーパネルを背負ってくる時代が来るとは思っていたなかったので驚きました。一方、これを一般の生活に置き換えてみると、テクノロジーが進むことによって、逆に原始的な生活ができるようになる(火は簡単に起こせる。電気もソーラーで得れる。その電気で水も浄化できる。食べ物も簡易に作れるようになる(はず))。そんな未来もあるのかもしれません。これも立派なイノベーションだと感じます。日本でも大震災に備えて携帯用ソーラーパネルを買っておいた方がいいかも???

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