こんにちは、Kanot(狩野)です。自宅付近の小学4年生に対して「国際協力の仕事」について話をすることになり、そのことをFacebookで相談したところ、多くの方からとても参考になる情報いただき、「これはシェアしないとももったいない」と思い、自分で調べたことと合わせてまとめてみました。(トップ画像は記事中に出てくる「鷹の爪団」の画像を外務省HPより引用しています。)
1.他国との比較、「ふつう」ってなに?
世界がもし100人の村だったら
みなさんはこの本はご存知でしょうか?
2001年に発売された、国際協力関連の大ヒット書籍です。最初、小学生がターゲットと聞いてこの本を思い浮かべたのですが、情報がちょっと古いなぁと思っていたところ、「100 People: A World Portrait」というサイトが運営されており、新しい情報に更新されているようです。これは使えそうです。例えば、今でも100人中23人は小学校を終えられないそうです。
すごいね!みんなの通学路
世界中の通学路を集めた写真本です。川をボートで渡ったり、崩れそうな橋を渡ったり、とても面白い写真がたくさんあり、これが現地の人にとっての「ふつう」なんだよ、ということを理解してもらうにはとてもよい書籍だと感じました。実際私の仕事紹介で使いましたが、かなり盛り上がりました。
日本が世界からどう見られているか
様々な統計情報を元にした国の比較なども面白いと思います。例えば、BBCが2017年に調査した「世界に良い影響を与えている国」ランキングでは、日本は3位に輝いています。
2.写真・動画を見せて経験を語る
やはり何と言っても写真や動画のインパクトにかなうものはないと思います。特に、自分が現場で体験して撮った写真や動画は、「自分ゴト」として話ができるので、より説得力を持って伝えることができると思います。私も写真は結構撮っているつもりでしたが、自分が写ってる写真が少ないことに気が付きました。自分が写ってる写真は意識しないと撮れないので、現場におられる方は、意識して撮ることをお勧めします。
3.見て・触って・学んでもらう
これは学校の授業ではなく、課外授業や遠足向けですが、東京の市ヶ谷にJICA地球ひろばという広報施設があります。ここでは常に開発問題に関する展示物が並んでいたり、解説してくれる協力隊出身者がいたりと、とても面白い施設になっています。実際、修学旅行生などが数多く訪れており、こういったところを訪問するというのも選択肢だと思います。また、JICAの国内拠点の多くもこのような訪問客受け入れをしていますので、ぜひお近くのJICAを探してみてください。実は日本だけでも15箇所あります。
4.民族衣装・現地語でつかみを取る
やはり服装は民族衣装が一番インパクトありますよね。まずそれを着て行くだけでつかみはオッケーです。みんな興味津々で話を聞いてくれるはずです。そして多少の現地語を話すだけで、もうみんな「すげー!!」って思ってくれるはずです。
5.SDGs
やはり最近の流れだとSDGs (Sustainable Development Goals)は避けて通れないネタですよね。このSDGsも本やゲームなど、幅広い広報がなされています。
本
SDGsに関連する本は数多く出ていますが、この日能研などは子供でも読めるように書かれていて、難しい感じにはルビも振ってあるようです。
また、「私たちが目指す世界(子供のためのSDGs)」というタイトルでセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが子供向けのオンライン教材を発行しています。英語版のコミックもありました。
カードゲーム
SDGsの促進を目指し、社会を良くするアイデア創出カードゲームも作られています。金沢工業大学とリバースプロジェクトが主導したクラウドファンディングでは、なんと300万円以上を集めることに成功しています。
6.ゲーム
ワールドピースゲーム
「世界平和を目指す」というゲーム形式の授業をするために作られたゲームだそうです。子どもたちはそれぞれ首相や大臣といった役割を与えられ、話し合いや交渉をして世界平和という勝利を目指すものとのこと。こちらはゲームの考案者による著書です。
SDGsゲーム
SDGsの促進を目指し、社会を良くするアイデア創出カードゲームも作られています。金沢工業大学とリバースプロジェクトが主導したクラウドファンディングでは、なんと300万円以上を集めることに成功しています。
鷹の爪団のODAゲーム
詳しくは後述しますが、鷹の爪団を題材にしたゲームも外務省が出しています。
7.物価比較ランキング
ビックマック Index
子供(特に男子)はランキング好きです。うちの息子もよくドラゴンボール戦闘力ランキングを見て喜んでいます。さて、世界の物価比較でよく使われるのはIMFの指数などは当然あるのですが、実はマクドナルドのビックマックがよく使われています。ビックマック・インデックスという指標も出ていて、皆の身近なもので価格比較することができます。ただ、この指数は、マクドナルドが出店している国に限るので、先進国・中進国が中心になります。2018年の数字だと、トップのスイスが728円、55位のエジプトが158円だそうです。
コーラの値段
では開発途上国も含めた物価比較といえば・・・・そうです、コーラです。途上国行かれたことがある方はわかると思いますが、どこに行ってもコーラやスプライトがあるんですよ。私もネパールで山登りした際によくコーラで糖分補給していました(瓶で50円くらいだった記憶があります)。このコーラの国別値段ランキングというページがありました。500mlのコーラの値段だそうで、トップはまたまたスイスでUS$ 4.01、最下位のパキスタンはUS$ 0.27だそうで、その差はなんと約15倍!!
8.マンガ・アニメ
さぁ来ました。子供が大好きなマンガ・アニメ!これ学べる国際協力も色々あるんですよ。
鷹の爪団の 行け!ODAマン
小中学生を子供に持つ方ならご存知かもしれませんが、鷹の爪団という毒舌キャラの人気アニメがあります。この鷹の爪団と外務省が組んで、ODA(政府開発援助)を楽しく説明しています。なかなか充実したコンテンツで、2019年11月時点では4種類のコンテンツが「鷹の爪団の 行け!ODAマン」としてアップされていて、すべて無料で利用可能です。
- アニメ(10種類)
- ゲーム(1種類)
- 読本(2種類)
- ポスター(2種類)
例えば、以下はケニア編のアニメです。面白いですねー。
ゴルゴ13の海外安全マニュアル
こちらは大人向けですが、ゴルゴ13と外務省が組んで、企業の海外進出にかかる安全対策マニュアルを作っています。もともとはゴルゴマニアの外務省職員が既存のマンガの切り貼りで作ったのがはじまりとか・・。すごい情熱ですね。全13話が「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」として公開されています。
マンガで知る青年海外協力隊
青年海外協力隊の活動を広く知ってもらうべく、9人の活動を「マンガで知る青年海外協力隊」として漫画化しています。中高生以上向けですかね。
ODAガールと主夫ボーイ
ODAへの理解促進のために外務省が作成したマンガ「ODAガールと主夫ボーイ」です。ODAを仕事にしたい若い女性と、保守的な若い男性、二人の物語です。高校生以上向けかな。
英語版SDGsコミック
何かしらの理由で英語でSDGsを伝えたい方向けですが、英語版のコミックもあるようです。
9.格言
そして最後に 、有名な方や映画の格言を通じて紹介するのもいいですよね。
マザーテレサ
「愛の反対は憎しみではなく無関心」などの格言を使って、「愛の反対はなんだと思う?」と生徒たちに聞いてみて、生徒に考えさせるのもいいかもしれません。
ホテル・ルワンダ
1994年のルワンダでの民族対立を発端とした虐殺を描いた映画「ホテル・ルワンダ」の中で、記者が「世界の人々はあの映像を見て, “怖いね”と言うだけでディナーを続ける。」という先進国の人がドキッとするようなセリフがありました。こういった発言を使って議論してみるのもよいかもしれません。中学生以上向きですかね。また、余談ですが、同じルワンダ虐殺に関する映画では、先進国からの援助関係者(確か学校の先生)の視点で描いた「ルワンダの涙」も、おすすめです。「私だったらどうしただろうか・・」とすごく考えさせられました。
まとめ
以上、みなさんからいたいだいた情報と私が調べた情報を元に、ざざっとまとめてみました。みなさんが子供たちと国際協力の話をする機会があった場合の参考になれば幸いです。追加ネタもありましたら情報いただければ、適宜追加していきたいと思います。
追記:実際の発表はどうだったか?
さて、実際に私が仕事紹介した日は、以下のような内容で「国際協力というしごと」という発表しました。
- まずは掴みで民族衣装と(片言の)ベンガル語。まぁまぁウケる。
- 「ふつうってなに?」として世界の通学路を紹介。ポケモン画像を挟んだこともあり、ここが盛り上がりすぎてなかなか本題に入れず (-_-;)。
- 100人の村、からいくつか数字を示し、日本と世界は違うんだよ、という話をする。例えば、「100人中18人が電気がなくて、テレビ見たりNintendo Switchできないんだよ。」というと、子供達はかなり驚いている様子だった。
- バングラデシュの駐在話。写真を使うとよりインパクトあり。(ここも、本題の国際協力ではない、電車に人が乗ってる写真で一番盛り上がってしまった・・。)
- そして最後に私からのメッセージ。
といった感じで、非常に盛り上がったのですが、興味を引くために入れた画像(ポケモン・ドラゴンボール・ダッカのカオス交通画像)で思いの外、盛り上がってしまい、本題の国際協力の印象が少々薄くなってしまったかなというのが反省点です。いずれにせよ、とても楽しい経験になりました。
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