書籍紹介「ブータンにデジタル工房を設置した」

アジア・大洋州

みなさん、Fablab(ファブラボ)ってご存知ですか?3Dプリンタなどを活用した「デジタルものづくり(デジタル・ファブリケーション)」を行う場所のことです。開発途上国などでも、素材さえあれば輸入に頼らず義足が作れるなど、応用範囲が広く、様々な活用方法が期待されており、このブログでも何度となく取り上げています。(記事1記事2記事3

そんなFablabが、ブータンにあるというのをご存知でしょうか?

ブータンといえば、国民総生産(GNP)ではなく国民総幸福(GNH)という指標を掲げ、独自の経済開発政策を取り入れている国で、2000年過ぎまではインターネット鎖国なども行っていました。私も2014年に一度訪問しましたが(実は駐在先だったバングラデシュから飛行機でわずか1時間半)、雄大な自然と素朴な人々で、「経済開発って何なんだろうな」と考えさせられました。

そんなブータンにFablabができることを支援し、日本からも様々な関係者が関わっていく歩みを記録した書籍「ブータンにデジタル工房を設置した」が出版されました。購入ページは以下のリンクです。

ブータンにデジタル工房を設置した | 電子書籍とプリントオンデマンド(POD) | NextPublishing(ネクストパブリッシング)
本書は、2016年4月から19年3月までの3年間、JICA事務所長としてブータンに駐在した著者の活動記録を、「デジタルものづくり(デジタル・ファブリケ...

著者は当時JICAブータン所長だった山田浩司氏です。Fablab検討のきっかけである地方の仕事不足や起業への期待、そこからフィリピンボホールをモデルにしつつFablab設立を支援し、最終的には国王が訪問するに至るという長い道のりの中での、日本の支援や関係者の苦労話などが描かれており、とても興味深く読むことができました。書籍の紹介文も以下の通り引用します。

本書は、2016年4月から2019年3月までの3年間、JICA事務所長としてブータンに駐在した著者の活動記録を、「デジタルものづくり(デジタル・ファブリケーション)」という概念の普及と事業の具体化という点に絞ってまとめたものです。ネット社会が到来したばかりのブータンで、デジタルデータを利用したものづくりが可能な拠点施設を作り、距離と時間の壁を一気に乗り越え、それによって現地で就業機会を生み出す、というのが著者の狙いでした。 本書は、これからブータンで始まるJICAの技術協力プロジェクトの参考情報としてだけでなく、他国で開発協力を展開する皆さんにも参考になるでしょう。現地にあるファブラボのようなデジタルものづくり拠点は、使いようによってはどんな開発ニーズにも、たとえそれが自然災害や感染症拡大のような突如襲ってくる緊急事態に対する支援ニーズであったとしても、現場での迅速対応を可能にするでしょう。

株式会社インプレスR&D社の書籍紹介ページより

ご興味ある方は、是非手に取ってみてください。

また、書籍の販売方法について、初めて知ったのですが、この本は電子書籍での販売を想定として作られていて、それに加えて印刷版の販売(プリント・オン・デマンド(POD)と呼ばれる方法)も行うという形で販売をしているようです。つまり、基本的には電子版として在庫を抱えておいて、注文が入ったら印刷・製本して発送するというスタイルのようです。

この方法だと、大型書店の店頭に並ぶという形にはならなそうな一方、在庫を抱えない分、オンラインではいつでも製本版・電子版ともに買えるという形になり、面白い出版方法だなぁと思いました。そして、電子版を想定して作られているので、(私はKindle版を書いましたが)スクロールが非常にしやすく、とても読みやすい形式になっています。

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