ども、Tomonaritです。2022年の目標は「がんばらない」ということにしました。そしてブログもさぼっていたら、とうとう1月も終わってしまう・・・ということで何か書こうと思い立ちました。なので、これが今年初投稿!(ちなみに、今年の目標はジョジョの奇妙な冒険第2部でジョセフ・ジョースターが『オー!ノーッ!おれの嫌いな言葉は一番が「努力」で二番目が「ガンバル」なんだぜーッ』と言っていたのを見て、なんか良いなと思ったからw)
さて本題ですが、みなさんはロボットが人から雇用を奪うと思いますか?
私は「奪う」と考えており、また同様にAIが雇用を奪うという話もそうだろうと思っていました。しかし1月25日の日経新聞に『「ロボットが雇用を奪う」は誤りか』という記事が出ていて(もともとThe Economistの記事)、これまでの自分の考え方は固定観念だったか・・・と目から鱗だったので紹介します。
記事の内容は簡単にいうと以下のような感じです。
- ロボットが雇用を奪うというシナリオは、英オックスフォード大学のカール・ベネディクト・フレイ氏とマイケル・オズボーン教授による2013年の論文で、この論文は米国の労働者の47%が自動化によって失職する恐れがあると解釈されて世間に衝撃を与えた。
- コロナの影響で自動化が進み失職する人が増えると予想されたが(国際通貨基金(IMF)もロボット導入が増えて雇用が減るという内容の報告書をだしていた)、OECD諸国の失業率は2021年11月時点でパンデミック以前と比較しわずかに上昇したに過ぎない。
- 自動化への投資は進んでいるが、自動化が失業増を招いていることを示す証拠はほとんど見当たらない。それどころか、富裕国では人手不足の状態にあり、現実は「ロボットによる自動化で雇用が奪われる」というシナリオとは異なっている。
- ロボットにとってかわられやすい非熟練労働者の賃金も実際は異常なほどのペースで上昇している。米国では自動化が比較的簡単といわれる単純作業が減っていることを示す証拠はまだほとんどない。
おいおい、そーなんですか。と驚きました。そして、記事ではロボットが雇用を奪うどころか、逆に雇用を増やす!という論文の紹介もされています。
- 経済学者のフィリップ・アギオン教授、セリーヌ・アントニン氏、シモン・ビュネル氏、ザビエル・ジャラベル准教授が2021年12月に発表した論文は、「自動化の直接的な影響として、企業レベルでの雇用は減少するのではなく、増加する可能性がある」と示唆。
- 自動化は企業の利益率を高め、その結果企業は事業規を模拡大し、最終的により多くの労働者を雇うことになる可能性がある。
- テクノロジーの進歩によって企業が新しい分野に進出したり、労働集約的な作業をより付加価値が高い製品やサービスに集中させたりできるようになる可能性もある。
- 米エール大学の研究では1978年から2017年までの日本の製造業を調べ、従業員1000人につきロボットが1台増えることで企業の雇用者数が2.2%増えることをつきとめた。
- 米MITの研究ではフィンランドの企業を対象にし、最先端技術の導入が企業の雇用拡大につながるとの結論に達した。
- 米スタンフォード大学の研究では、英国の産業界における工作機械の利用状況を分析したところ、自動化には「企業の存続と強い関連性があり、早い段階から自動化を進めているほど雇用者数が大きくなる」と判明した。
ほほう・・・。知らんかった。でもこのシナリオも確かに理解できるなぁ。記事では上記の点に続いて、この新たな発見がイコール「良いこと」とは証明されていない点、ロボット導入が報酬がトップに偏っている環境を生んだ可能性、自動化が仕事の質の低下させる可能性、ロボット導入で成功した企業が出れば競合他社が倒産し全体的な求人数が減少する可能性などなど、まだまだ議論の余地があることも示唆しています。でも最後は以下のように締めています。
「ただ、現段階で明らかなことは、ロボットによる自動化について、悲観一辺倒のシナリオが世界を席巻する時代は完全に終わったということだ。」
私はこれまで悲観的シナリオのほうを信じており、特に途上国、ICT4Dの文脈においては、ロボットだけでなくテクノロジー全般の負のインパクトが結構あり得ると思っていました。以下、そんな視点からの過去の投稿です。
しかし今回の日経新聞の記事を読んで、認識を少し改めなくてはと思ったのでした。まぁ、ロボットやテクノロジー全般が雇用を奪うか否か?」や、「テクノロジーの正の影響と負の影響のどっちが大きいか?」という議論の正解がどうあれ、テクノロジーの普及は止まらないのでその中でどう負の影響を減らして正の影響を増やしていくかを今後も考えていきたいと思います!と、なんとなく自分の今年最初の投稿っぽく締めてみましたw
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