日本評論社から「デジタル技術と国際開発」が出版されるにあたって、翻訳・出版をリードした竹内さんへのインタビューがPodcastで配信されています!
この記事では、前半に続き、インタビュー後半部分に関して、ICT4D Labメンバーの圓明がお伝えします。
竹内さんがマンチェスター大学のICT4Dコースを修了されてから2022年までの間に、ICT4D業界は変化したのでしょうか?
マンチェスター大学に在学していた当時、ICT4Dという分野はマイナー分野でしたが、最近は開発業界で一番盛り上がってきていて、私(竹内さん)自身もODAの仕事を通してICT4D関係の案件が増えていると感じています。
また、これまで途上国開発とあまり関係性が深くなかったスタートアップなどもITを使ったサービスを途上国で展開し始めており、ICT4Dに関わるプレーヤーに多様性が出てきています。
そして、若い人がただの金儲けのためだけに仕事をするのでなく、社会課題も解決しようというムードが高まってきたこともICT4D業界が盛り上がっている一因だろうと考えています。
このような盛り上がりを見せるICT4D業界のために、竹内さんはなぜ翻訳する際にオンラインコミュニティというリアルな場では会ったこともない人たちとチームを組むことにしたのでしょうか?
オンラインコミュニティICT4DLabを立ち上げる前からこの本をどこかで翻訳したいと考えていました。しかし、単純に翻訳は1人では難しいこと、ICT4DLabで何をしようか考えた際に、ICT4DLabでヒークス先生の本を翻訳・出版出来たらおもしろいかも、と思い立ちました。
当初は出版するところまでは考えておらず、コミュニティの中で翻訳することで勉強になるのではないか、と考えていたところ、「せっかく翻訳するなら出版まで!」とコミュニティのメンバーが背中を押してくれたことで、出版することができました!
最後に、どのような人にこの本を読んでもらいたいかを伺いました。
原書の方にも記載されている通り、この書籍は大学院のテキストになっているので、この分野を勉強したい大学生、大学院生に読んでもらいたいです。
また、IT業界ですでに働いている社会人の中で、これまで身に付けた知識で社会貢献したいと考えているが、すぐには協力隊や留学に行けない人などに対し、ICT4Dという分野があることや、この分野を学ぶきっかけになる一冊になればと思っています。
専門用語に脚注を沢山つけてありますので、ケニアのエムペサって何!?という方、IT業界で働いてきて途上国に目を向け始めた方にも読んでほしいです。仕事や会社以外のコミュニティで何かをしようとしている人を勇気づけられる一冊になればと考えています。
コミュニティメンバーが全力で1単語単位でこだわって翻訳した「デジタル技術と国際開発」について、もっと詳しく知りたい人はぜひPodcastを聞いてみてください!
また、5月14日(土)にはオンライン出版イベントも開催予定です。本の読みどころや、事例を交えながらのフレームワークのご紹介、出版のプロから見て、オンラインコミュニティで作った翻訳はどのように映っているのか、実際に出版社の方に話を聞いてみたり、翻訳・出版プロセスの裏話もする予定です!
お申し込みは出版イベントページから。ぜひご参加ください!
インタビュー前半では、なぜ翻訳しようと思ったのか、などをお聞きしています。ぜひ前半編もお読み下さい!
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