「デジタル技術と国際開発」・第3回オンラインコース開催!- 情報システム導入時に潜むリスクとは? –

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ども、Tomonaritです。3月18日に「デジタル技術と国際開発」第3回オンラインコース「情報システム導入時に潜むリスクとは?を開催しました。その内容をちょっと紹介します。

今回は7名の方々にご参加いただきました。みなさん「デジタル技術と国際開発」の本を持参してくれていたのが印象的でした。どうもありがとうございます!(書籍「デジタル技術と国際開発」は、こちらからお買い求めいただけます)

講義内容は大きく2つで、前半はフレームワークの解説、後半はケーススタディを使ったグループワークを行いました。

Design-Reality Gap Model (ITPOSMO)

今回紹介したのはDesign-Reality Gapという概念と、ITPOSMOというフレームワーク(モデル)でした。いずれもマンチェスター大学のRichard Heeks教授が提唱したもので、ICT4Dプロジェクト計画段階での理想(例:ユーザーにはこれくらいのITリテラシーがあるだろう)と現実(例:実際のユーザーのITリテラシーはとても低い)のギャップをチェックするためのものです。

いろいろなギャップが存在し得るので「なんとなく」だと何かを見落としてしまいがち。そこで、見落とさないためのチェックリストとして、情報、テクノロジー、プロセス、目的と価値、スキルと知識、マネジメントシステムと構造、その他のリソース、という7つの要素(英語の頭文字をとってITPOSMO)という包括的な視点を提供してくれるのがこのモデルです。

講師の石田さん(マンチェスター大学ICT4D修士卒)による説明

ケーススタディ&グループワーク

続いて、南アフリカのマイクロファイナンス機関におけるシステム開発プロジェクト(顧客情報と貸付・返済状況を本社と地方拠点で一元管理するための情報システムの構築)をケーススタディにして、実際にこのモデルを使ってみると、どんなギャップに気づくことが出来るか?という点を議論しました。

講師の福井さん(マンチェスター大学ICT4D修士卒)による説明

そしてグループワークでは、認識されたギャップをなくすため、小さくするためには、計画時にどのようなアプローチをとるべきだったのか?どうしたらギャップを最小化できたのか?という点について、アイデアを出し合いました。

グループワークで出てきたアイデアの一例

参加者からのコメント

参加者のみなさんからは、以下のようなコメントを頂きました。

  • フレームワークに基づいて、実際に活発な会話ができたことが有益だったと思います。
  • 大変満足しました、お話する時間も持てて大変勉強になりました!
  • 書籍の内容をかみ砕き、事例を踏まえてご説明いただけたので、理解が深まった。
  • グループワークの時間がもう少し欲しかったのですが、フレームワークをしっかりとご説明されていたのもなかなかよかったと思います。
  • 皆さんの実経験を交えてのディスカッションが楽しかったです!ただフレームワークを学ぶだけでなく、参加者の国際開発への熱意や、実経験を踏まえたコメントが価値と感じました。

参加者のみなさんも講師陣も色々な経験や専門性をもった方々が集まっていたこともあり、全員でのディスカッションでは活発な議論ができてとても良かったなぁと思います(私自身も勉強になりました!)。

ご参加頂いたみなさんに感謝です!どうもありがとうございました!

第4回にむけて

今回の第3回の内容を検討するために、ICT4D Labメンバー内で「情報システム開発における落とし穴、失敗、あるあるネタ」をリストアップし、よくありがちな落とし穴を今回のケーススタディにも入れ込んで見るという工夫をしました。Labメンバーからの「ネタ」はいずれも「ああ、それな〜」というもので、このリストはまた別のかたちでも今後活用したいなと思っています。

また、今回は上記のようなコメントに加えて、「グループワークの時間が短かった」、「もっと突っ込んだ議論をしても良いかも」といった改善点もいただきました。次回の第4回ではそのようなコメントも踏まえて、更に面白くワクワクできるコンテンツを用意できたらと思います!

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