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ICT4D Newsletter Vol. 03 (2020/7/14)

こんにちは、ICT4Dブログの狩野(Kanot)です。

現在、私は University of Michigan のデータサイエンス修士コース(オンライン)の「データと倫理」講座の講師助手をしているのですが、みなさん「倫理」と聞くと「ソクラテス!無知の知!」みたいな感じで難しい印象ですか??

実は、この講座では、私たちにも身近な話題が多くあり、これからのデータ時代を生きていくために考えなければいけない、多くの学びがあります。例えば、以下のような問いかけが出てきます。

  • 犯罪率が低いグループに絞った広告はありかなしか?
    アメリカでハウスオーナーが家を売る時に、犯罪率が低い確率が高いからという理由で、白人のみにFacebook広告が出るようにするのは是が非か。
  • Google検索の予測キーワード候補はデータに忠実だとまずい?
    アメリカで黒人の名前をGoogle検索すると、次の予測キーワードに「逮捕」が出てきやすい。これは、過去の検索履歴に基づき、予測キーワードが機械的に表示されるからである。(米での黒人犯罪率は白人より高い。) これはGoogleの人種差別にあたるのだろうか?
  • データサイエンスはマイノリティ支援には有効じゃない?
    実は、マジョリティに対してマイノリティに関するデータは少ないため、政策を打つ根拠データが作りにくく、データサイエンスを活用すればするほどマイノリティに不利な政策になりかねない。
こう言った問いは、国際開発にデータを活用していく中でも必ずぶつかる論点になりますよね。上記の例だと、白人やマジョリティを先進国、黒人やマイノリティを開発途上国に置き換えるだけで、国際開発でも同じ問いが発生しうると思います。来たる(というかもう来てる)データ時代に備えて、ちゃんと自分の言葉で答えられるように頭を整理しておきたいところですね。

また、今回はニュースレター下部に求人情報も掲載しています。

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オススメ海外ICT4Dニュース

The first 3D-printed boat, ‘built’ by the world’s largest 3D printer

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世界最大の3Dプリンタは遂にボートも作れるようになったという記事です。以前、3Dプリンタで家を作り、災害・紛争後の仮設住宅への活用を試みる会社を紹介しましたが、ボートから家まで、本当に活用方法は無限大だなと改めて感じました。ちなみに、通常このサイズのボートは通常は制作に数ヶ月はかかるものだそうですが、3Dプリンタを使うと数日でできてしまうとのことです。

How to Understand Global Poverty from Outer Space

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人工衛星で撮影した夜間の明かりから貧困地域を特定しようという試みに関する記事です。以前、携帯電話の利用状況から貧困データを推定する論文を紹介しましたが、こちらのニュースでは、衛星写真の昼夜差に着目し、それを機械学習にかけて推定するというアプローチを取っているようです。解析手順などを比較的容易な言葉でまとめてあり、興味ある方にはオススメです。

ICT4D Lab 活動報告

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おかげさまで会員も50人を突破し、毎週開催の勉強会に加えて、国際開発xデータサイエンス企画や国際協力サロンとの連携企画、ICT4D教科書解説会などのプロジェクトが動き出しました。
  • 最近の活動内容
    - アフリカのスタートアップとイノベーション [勉強会]
    - インドのICT潮流 [勉強会]
    - データサイエンス体験(Python体験、機械学習体験)[プロジェクト]
  • 今後の活動内容
    - アフリカシエラレオネ移民に対するMicrofinance支援 [勉強会]
    - IT立国ルワンダにおけるIT人材育成の課題 [勉強会]
    - PeaceTech最前線 [勉強会]
    - 国際協力サロンとの連携企画 [プロジェクト]
    - ICT4D 教科書勉強会 [プロジェクト]

ICT4D関連求人情報

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ICT x 国連 x バンコクです!
Computer Information Technology Officer (P-3)
ICT関連経験5年以上。7/28〆切
ICT4D関連の求人情報の掲載希望あれば、info@ict4d.jp までご連絡ください。

公開勉強会のプレゼン動画

こちら目的だった方、おまたせしました。ICT4D Lab 公開勉強会(2020年5月・6月)のプレゼン動画は右の画像からリンクしています。
(パスワードは「ict4d-lab-2020」です。)
ICT4D デザイン 公開勉強会ver.
ニュースレターに関するご意見、コメント等ありましたら、info@ict4d.jp までお願いいたします。(執筆者である狩野・竹内の両名に届きます。)
ICT4D Lab 公開勉強会(2020年5月・6月)のプレゼン動画は以下のリンクからご覧ください。
https://ict4d.jp/lab-event-2020 (パスワードは「ict4d-lab-2020」)
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