「はじめての途上国」という原体験に立ち会う面白さ

アジア・大洋州

旅好きの皆さん、「はじめての途上国」って覚えていますか?忘れられない原体験になりましたか?

こんにちは、Kanotです。2025年9月、はじめてゼミ生を連れて海外スタディツアーに行ってきました。
その大変だったところは以下の記事で書きました。

この記事では、ツアーの良かった面として学生の成長という観点で書いてみます。

今回のスタディツアーを引率して強く感じたのは、「ゼミ活動などで性格や特性をすでに知っている学生の『はじめての途上国』という原体験に立ち会うということは、めちゃくちゃ面白い」ということでした。

異文化に接して、学生が持つ既成概念や価値観がわかりやすく崩れていく、まさに「学生の目の色が変わる」瞬間を見るのは、とても充実感がありました。何人かは一生残る原体験になったであろうと思いますし、真っ白なキャンバスにペンキで色を塗るような感覚がありました。

そして、おまけとして、自分がはじめて途上国に行った時の感動を思い出す、とてもいい機会にもなりました。

さて、本題に入る前にまず前提としてお伝えしておきたいのは、私の勤務先は工業大学なので、入学時点で国際問題に興味関心のある学生は少ないです。そのため、途上国はおろか海外旅行すら行ったことない学生が大半です。

その中で、私が担当する授業を通じて、途上国に関心を持つ学生が私のゼミを希望してくれることになります。ですので、途上国にそれなりに興味関心はあるけど未経験、という人が中心になります。

そんな学生たちと行ったスタディツアーですが、帰国後に学生にアンケートを取ったので、いくつかシェアしたいと思います。

ネパール人の印象の変化

・貧しい国というイメージから、ネパール人は、明るくなく、優しくない人たちだと思っていったけど、実際接してみるととても明るく、優しい人たちでした。

・参加前はネパールに対して不便そうというイメージを持っており、人に対しても生活が厳しい分人々は明るい人が少ないという印象だった。しかし実際にネパール人と関わるととても優しく、親しみやすい人達で、人との繋がりを大事にいている国だと感じた。

これらのコメント、自分がはじめて途上国(タイ・ネパール)に行った際に思ったことと凄く似てるなぁと懐かしく思い出しました。そして、こういった人の親しみやすさ、優しさ、濃い(時には濃すぎる)コミュニケーションが途上国を旅することにハマったきっかけだったなぁ、と原点を思い出すいい機会になりました。

豊かさについて考える

今回のツアーでは日本人が支援している孤児院を訪問しました。そこで子供たちと触れ合ったことをハイライトに挙げる学生も多く、豊かさについて考えるきっかけになったようです。

・元気で明るく、周りの子供たちと助け合いながら共同生活を送っていた。その様子を見て私は誰とどう過ごすかが心の安定に繋がり、日常生活を送っていく上で、その心の安定は物の豊かさよりも重要なのではないかと感じた。

・子供たちは明るく元気で、私たちにもすぐに懐いてくれて、言葉の壁を越えて一緒に笑い合った時間がとても温かく、良い思い出となった。

孤児院に限らず貧しい子供達との触れ合いについては、もう少し深く関わっていくと、来訪者に見せる明るさの奥にある苦労なども見えてくるのですが、豊かさや幸せの定義が「モノやカネ」とは違うところにあるのでは、と考えるきっかけになったようです。

確かに自分も、「豊かさ」とはなんなのかという答えを知りたくて、旅をしているのかもしれないな、と旅の原点を思い返しました。

英語力

・外国人とのコミュニケーションを初めて実践できたこと。なんとかなる。

・出来ない英語でネパール人に話しかけて理解して貰えなくても、ネパール人が頑張って理解しようとしてくれるのもめっちゃ嬉しかった。

・自分の感じたことを自分の言葉で表すことが出来ればもっと海外を楽しむことが出来のではの思う。

こういった英語に関する「意外と通じる」「身振り手振りでなんとかなる」「伝えたい」という実体験は、外国人とのコミュニケーションや英語力を上げていく原動力になると思いますし、とても大事な体験ですね。

そしてもう一点、興味深いコメントがありました。

・会話はスマホを使えばどうにかなる部分ではあるけれど、それだとあんまり楽しくないし、会話が弾まなかった。

確かに・・・。お互いの情報や言葉を交換するという意味では、スマホを通じた翻訳アプリなどでかなりの部分が代用できるようになっています。一方、楽しくコミュニケーションを取ることや、くだらないことで笑い合うといった観点では、まだまだ語学力を磨くことに価値はあり、それこそが唯一残された語学を学習する理由なのかもしれません。

価値観の変化

今回のネパール滞在では、私の強い希望もあり、パシュパティナートという火葬場(死体を焼いているところがすぐ近くで見えるところ)にも行ったのですが、それが「死」に関するコメントにつながっています。

・ネパールの人は宗教をとても大事にしていて「死」に対してとても重く感じていた。

・遺体を燃やす前の儀式(足に水をかける。水を飲ませる。)を見ることになるとは思わなかった。見ていてもらい泣きしそうになりました。

・日本なら、亡くなった人の死体を燃やす場所が観光地になっているというのは理解し難いことである。でも、カトマンズの人達はそれが普通であり、なにも疑問に思っていないという世界線があることが世界の広さを教えてくれた気がするし、自分常識が通じないということを考えさせられる場所だった。

これらのコメントも私の原体験に近いです。20年前の卒業旅行でインドのバラナシで死体を焼くのを見て、インド人と一緒にガンジス川で沐浴をしたのは、「なんでこんな考え方があるんだ?」と宗教というものへの興味を掻き立て、死生観を変える経験になりました。

日本や今の生活のありがたみ

・当たり前に水が飲めて、当たり前に食事が出来て、当たり前に親がいるこの生活がどれほど恵まれているかを、改めて知ることが出来て感謝しないといけないと思った。

・日本では当たり前だと思っていた環境がとても恵まれていることに気づいた。

・他国の良い面、悪い面を目の当たりにして、日本という国の素晴らしさに身をもって感じられた。

・普通にご飯が食べれている?家族がいる?自分の家があること?

これは海外経験に限らず、失ってみないと気づかない「当たり前」の素晴らしさですよね。一人暮らしをして初めてわかる実家や親のありがたみ。日本を離れてわかる日本の良さ。

まとめ

これまでは、研究室の学生として、英語ができてある程度海外慣れしてる人を、研究の即戦力として採りたいなぁと思っていましたが、こういう「はじめての途上国」という原体験に立ち会うというのはとても面白いなぁと感じた次第です。

とはいえ、研究の即戦力も欲しい!ということで、現時点の研究室に来て欲しい人像としては、大学院生ではそれなりに海外慣れした人を、学部生としては途上国に興味はあるけど行ったことない人、がいいのかなと思ったりしています。

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