Online Dating for Africans

“Find Love and Money in Online Dating for Africans”というタイトルでICTWorksブログに面白い投稿があった。ケニアでDating.co.keという出会い系サイトが盛り上がっているという。既に1000人以上のユーザ数でうち約100人が毎日アクセスしているらしい。

この投稿を読んで、ふと思い出したことがあるので書いてみる。
エチオピアに居た頃、英語学校で知り合った女の子(エチオピア人)が所謂出会い系サイトで知り合ったノルウェー人と結婚すると言っており、「マジ?」と思っていたら、実際に彼がエチオピアまで来て、一緒にご飯を食べたりして結構仲良くなった。彼は大学の先生で、結構年齢は行っていたけど、良い人だった。二人は予定通り結婚し、彼女はノルウェーへ旅立った。その後も彼らとはイギリスで会ったり、日本に遊びに来たときに会ったりと結構縁がある。

「エチオピアを脱出する」というのが、多くのエチオピア人(男女とも)が抱いているドリームの1つ。このドリームを現実にするためには、外国人と結婚したり、外国で仕事をGetしたりという方法がある。そして、「外国人と結婚する」という方法にWebサイトが活用されているわけだ。一方、Webサイトが利用される以前からある昔ながらの方法は、ブローカーにお金(結構な大金)を払って外国で家政婦等の仕事をする仕事をGetする方法。運よく良い家族に当たると、家族の一員みたいに扱ってもらえて、結構良い暮らし&稼ぎが出来る。しかしながら、多くのケースは、ブローカーに偽ビザをつかまされて、行った国の空港で捕まるとか、良い家族に当たらず、パスポートを取り上げられて馬車馬のようにこき使われるというもの。この昔ながらの方法に比べたら、出会い系サイトはローリスク・ハイリターンな方法だ。

このようにWebサイトを使えるか否かによって外国への扉が開かれる可能性は大きく左右されるということは、2003年に自分がエチオピアへ行ったときにも感じた。当時、アメリカのグリーンカードが当たるDV Lotteryの申請が、郵便ではなくWebサイトでのみ受け付けるようになったのだ。自分がいた地方都市のインターネットカフェでは、インターネットの使い方を知らない人(←殆どの人)に対してWeb申請代行をすることで手数料を儲けていた。具体的には、証明写真をスキャンして、申請に合わせたサイズに縮小し、Web上の申請フォームに記入し写真を添付して申請するというもの。自分はその町のインターネットカフェのオーナーに頼まれて、写真の縮小方法などを教えたりしていた。幾ら儲かったかは知らないが、結構繁盛していたのは確かだ。

ノルウェー人と結婚した彼女は、「妹にも出会い系サイトで外国人の旦那をGetする方法を伝授している」と言っていた。これからは、単純なDV Lottery申請代行サービスじゃなくて、「出会い系サイトの歩き方」ビジネスが誕生する可能性もありそうだ。

「エチオピアから外国へ行く」というドリームの良し悪しは別として、インターネットによって彼らの可能性が高まる点はメリットだろう。しかしながら、ここで忘れてはならないのは、外国人とのコミュニケーションのための「英語力」、自分をアピールするための「プレゼン能力」、ネットを使える「資金力」、ネットが使える都会に住んでいるという「生活水準」、といった教育レベルや財力がある者しかネットの恩恵を受けれないという点。さらに、出会い系サイトでは、「美形」であること(もしくは美形に見せる写真の取り方テク)、相手が信用出来るか否かを判断する「判断力」なども重要だ。出会い系サイトも「持たざる者」のためには役に立たず、「持てる者」の可能性を高めるのに役立つのだ。出会い系サイトで犯罪に巻き込まれたりという事件が日本でもあるが、途上国においても、そういった事態を回避するためにも、ITリテラシーの底上げ(←教育レベルの向上など)が必要だろう。

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コメント

  1. アベバ より:

    twitterから飛んできました。スゴイね、この記事。しかし、スピリット精神旺盛な彼ら、彼女らの需要を考えると、確かにITリテラシー向上の起爆剤になりそうな・・・ICTが野心を叶える魔法の道具に化けそうだね。これもある意味、社会貢献だな。

    • tomonarit より:

      >アベバさん
      単なるPCのオペレーションだけじゃなくて、こういった「ITリテラシー」までを教えるPCスクールやったら、結構繁盛するかも!どうです、アジスアベバのピアッサ辺りでやりません?

      • アベバ より:

        いいね。いいね。スクールと併設でネカフェもやりたいワ。3年前にはメール屋しかなかったアジスだけど、高度成長の波に乗って、もうできてるのかなぁ・・・ネカフェくらい。

  2. Maki より:

    面白いよねー、確かManchester時代のICT4D関連授業でも途上国におけるonline datingっていう話題が出た記憶が。
    シルビア(イタリア人)が「これが本当のICTforDevelopmentじゃない!!」って叫んでいたので笑えた。

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