東・西アフリカ(英語圏)の携帯カバレージを見て

ネットサーフィンをしていたら、東・西アフリカの英語圏(ケニア、ガーナ、ウガンダ、ナイジェリア)の主要携帯会社のエリアカバレージを図化したものを見つけましたので、ブログ書いてみることにしました。

まず、東アフリカでみてみましょう。こちらはケニアにおけるSafaricomのカバレージ

ふむふむ。ナイロビを中心とする南部をメインに携帯網が広がってると。

次に、ウガンダのAirtelのカバレージ。

あれ?ウガンダの方がカバレージ高い?

ケニアの人口分布図を見てみたところ、白くなっているエリアは平方キロあたり5人以下とかでほとんど人が住んでいないところのようです。一方、ウガンダの人口分布図をみたところ、確かに平方キロあたり5人以下という地域は少ないようです。
人口はともに3〜4千万人なので、面積の狭いウガンダの方が均等に人口が散らばっていて、それに合わせて携帯カバレージも上がっているということで、GNPなどの経済指標というよりは、人口分布に合わせて携帯が広がっているんですね。

次に、もう少し西に移動して、ナイジェリアに行ってみましょう。

ナイジェリアのMTNのカバレージです。

面積はケニアの2倍、ウガンダの4倍近いのですが、さすが1億越えの国だけあり、ウガンダ並のカバレージになっているようです。

そして最後にガーナのMTNカバレージです。

ウガンダと面積も人口も近いのですが、カバレージにはだいぶ差があるようです。
人口分布を見てみると確かにカバーされていないエリアは平方キロあたり10人以下で、ケニアなどと同じですね。

と簡単ですが4カ国の携帯カバレージを比較してみました。

特に考察というほどのことはないのですが、
・民間企業ということもあり、ビジネスになるように人口が多い地域から順に広げ、平方キロあたり10人を割るようなところには携帯会社も進出していない。
・ 都市部を除き、3Gは普及しておらず、都市部と地方部のデジタルデバイドは非常に大きい。
・携帯電話を使った援助(ICT for 教育や、ICT for 農業など)を考える際は、2Gと3Gの特徴を考える必要がある。
・同じく携帯を使ったBOPビジネスは、BOPの中の上層である都市部3G層、BOPの中の中層である地方2G層をターゲットにするか明確にする必要がある。
・M-PESAなどのSMSを使った送金サービスはこの現状を考えると非常に的を得ている(2Gで対応可能)

といったところが気づきでしょうか。

ちなみに、本文中で言及した各国の人口分布図はこのブログには張りませんでしたが、http://www.bestcountryreports.com/index.phpこちらのサイトにありました。

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コメント

  1. hirokudo より:

    いつもありがとうございます。hirokudoです。
    Eldisのホームページでおもしろいドキュメントを発見しました。OECDが2005年(ちょっと古いですが)発行したものです。

    すでにご存知でしたら、すみません。ICTによる経済発展と貧困削減の当時の状況をまとめたものです。

    Good practice paper on ICTs for economic growth and poverty reduction

    http://www.eldis.org/go/display&type=Document&id=59515?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+eldis-poverty+%28Eldis+Poverty%29&utm_content=Google+Reader

    This report aims to give an overview of what DAC members (Australia, Austria, Belgium, Canada, Denmark, Finland, France, Germany, Greece, Ireland, Italy, Japan, Luxembourg, the Netherlands, New Zealand, Norway, Portugal, Spain, Sweden, Switzerland, the United Kingdom, the United States and the Commission of the European Communities) currently know about how Information and Communication Technology (ICT) use in developing economies can stimulate economic growth and poverty reduction. It draws attention to the cross-cutting applications of ICTs, to their role as tools, not goals, and links their use to development co-operation. The report presents three key discussions, namely, the contribution of ICTs to pro-poor growth, the contribution of ICTs to the Millennium Development Goals, drawing attention to the processes that lead to the goals and at poverty-reduction good practice and relates what is currently known to the role of ICTs.

    • tomonarit より:

      >hirokudoさん
      コメントの反映が遅れてしまって申し訳ありませんでした。
      面白い文献のご紹介、どうもありがとうございます。
      読んでみたいと思います。
      また、興味深い文献がありましたら、是非共有下さい。
      宜しくお願いします!

      Tomonarit

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