Grameen Applab

ファイナンス

CKW-Project-Ag1

マイクロファイナンスで有名なグラミン銀行がGrameen Applabといういう取組を実施している。Gates Foundationから資金を得たり、マイクロファイナンス研究機関のCGAPや各国の携帯事業者と協力してウガンダ、ガーナ、インドネシアなどで、農業、保健、マイクロファイナンスといった分野のプロジェクトを行っている。へーっと思ってWebを見ていたら、ウガンダのCommunity Knowledge Workerというプロジェクトを紹介するYoutube動画を発見。閲覧回数がまだ2回(少なっ!)だったのでご紹介したい(結構面白い動画で良く出来てると思いうのですが、可哀想なことに閲覧回数が2回とは・・・)。

見てもらうとわかるように、このプロジェクトはウガンダの携帯事業者MTNやGoogleと協力して、農村部の人々に農業関連情報を提供するというもの。具体的には、Community Knowledge Worker(CKW)と呼ばれる情報提供担当者を各地において、彼らにスマートフォンを提供する。場合によっては携帯充電用太陽光パネルのキットも供与しているようだ。村人は牛が病気だとか困ったことがあったら、CKWのところに行って質問すると、CKWはスマホで関連情報を調べて教えてくれる。スマホで情報を調べるときには、CKW用に開発されたデータベースシステムを使っている。データベースには、35種類の農作物、家畜7種類、天気予報、市場情報、交通機関情報、モバイルマネー取扱店の場所などに関する35,000以上の事項に関する助言がリアルタイムに蓄積されている(この動画後半では、実際にスマホの画面でどうやって情報を検索していくのか見られるので、イメージがつかめます)。2010年から開始され、現在は800名のCKWがいるという。

一昔前、バングラデッシュで携帯電話を貸し出すためのグラミン・レディ(テレフォン・レディ)という取組が始まったけど、固定回線がないような村で携帯電話を貸すことが中心だった。そこから、一歩進んだのがCKWのような取組だろう。依然、このブログでもKnotが紹介したバングラのInfoladyも似ている。グラミン・レディは2006年位に始まったが、携帯端末が行き渡った現在は活動をやめている。携帯貸し屋さんから情報屋さんへの変化。次は何屋さんが出てくるだろうか。

小型のモバイルプロジェクターなんかも安くなったので、携帯とモバイルプロジェクターで移動紙芝居屋さんならぬ、移動映画屋さんとか、オープン教材を使った移動塾・家庭教師など、なんか色々と可能性がありそう。と、書いていたら、モバイルプロジェクターが欲しくなってきた、台風も弱まって来たので電気屋さんに行ってこうようかな~

ニュースレターはじめました。テクノロジーと国際開発(ICT4D)に関する新規ブログ記事・海外ニュース・イベント情報などを月1〜2回発信しています。以下フォームからご参加ください。詳細はこちら

フォローする
ファイナンス農業
ICT for Development .JP

コメント

  1. […] ICTを活用した貧困削減についての研究所。AppLabというプロジェクト(Application Laboratoryの略)をウガンダ、ガーナ、インドネシア、ラテンアメリカ、カリブ海地域で展開。AppLabは、モバイル・アプリやサービスの開発を行って、地域の開発課題へのソリューションを提供しようとしている。以前、このブログでもウガンダのプロジェクト例「Community Knowledge Worker」を紹介してましたが、農業分野以外にも、モバイル・マネー、ヘルスケア、マイクロフランチャイズ(小規模企業支援)、といった4分野でプロジェクトを行っている。 特にヘルスケア分野では、今度自分が行くガーナの例が取りあげられていたので紹介したい。 MOTECというプロジェクトで、妊婦を対象とした情報配信&カルテ情報管理を行っており、USAIDやゲイツ財団などの支援を受けている。また、ガーナでは世銀の母子保健プロジェクト「Every Woman Every Child」の助成金で、携帯を活用した母子保健ソーシャル・ビジネスモデルの開発も行っているという。 […]

  2. […] さて先日、ガーナで活動するGrameen Foundationの方々と意見交換する機会があった。保健や農業と言った分野で携帯電話を活用したプロジェクトを実施している。そこで興味深かったのは、先方のプロジェクトというよりは、Grameen Foundationの人達の説明と自分の同僚の反応との間に若干のギャップを感じた点である。一言で言えば、「ICT(携帯電話)利活用が開発プロジェクトの効果を促進する」というGrameen Foundationの人達と「果たして100%本当にそうと言い切れるのかなぁ…」という反応のギャップである。 […]

  3. […] さて先日、ガーナで活動するGrameen Foundationの方々と意見交換する機会があった。保健や農業と言った分野で携帯電話を活用したプロジェクトを実施している。そこで興味深かったのは、先方のプロジェクトというよりは、Grameen Foundationの人達の説明と自分の同僚の反応との間に若干のギャップを感じた点である。一言で言えば、「ICT(携帯電話)利活用が開発プロジェクトの効果を促進する」というGrameen Foundationの人達と「果たして100%本当にそうと言い切れるのかなぁ…」という反応のギャップである。 […]

タイトルとURLをコピーしました