バングラデシュの新聞にWalleto(http://walleto.com.bd)というオンライン決済サービスの記事があった。カード決済なんていまや国も関係なくできるじゃないか、欧米企業には勝てまい、と思って読んでみると、色々な事情があることがわかった。
おそらくWalleto社が提供する、「HPに簡単な手続きでオンライン決済システムを入れますよ」というサービスは世界中に多数存在する。しかし、それがバングラデシュの企業にとって、バングラデシュ発のサービスであることのメリットが確かに存在する。そのうち幾つかを挙げてみる。
1.その国で主に使われている送金システムは??
世界的にメジャーなものはVISA, Masterであるが、国によって他にも必要不可欠なものがある。例えば日本だとJCB、ケニアだとM-PESAなど。このバングラデシュでもBRAC Bank Debit Cardなどバングラデシュにしかないが普及しているものがあり、世界統一サービスで展開していてはそれらのニーズを全て満たすのは非常に困難である。
2.サイトの信頼性などの確保
技術的にサイトに決済システムを組み込むことなどは簡単であるが、そのサイトの信頼性などの審査等々は遠隔地から行うことはなかなかに難しい。バングラデシュのサービスであれば、ベンガル語のサイトであれ審査を行うことが可能になる。
3.治安などによるニーズの違い
記事ではバングラデシュなどで現金を持つことによる強盗リスクなどが普及の一員になっているとあり、確かに高額な送金のための決済や、治安リスク回避のための決済など、国・地域によって求められるサービスは変わってくる。
インターネットの普及によりボーダレスな時代に突入はしているものの、やはり国ごとの事情が異なることによるサービスの違いというのは依然として存在することを改めて感じた。特に言語の壁がある国(日本・中国など)ではよりそれが顕著であろう。
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