アメリカの博士課程(PhD)の現状

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こんにちは、Kanot(狩野)です。2018年3月に、アメリカの政府機関が出したアメリカ国内の博士号(PhD)取得状況に関するレポートを見つけたので、読んでみました。アメリカでの博士号取得にご関心ある方、他国と比較したい方はご覧いただけたらと思います。

ここからは、私が読んで( ´_ゝ`)フーンと思った点を箇条書きで共有します(カッコ内は私の呟き)。分野に関するものは、私の所属するSchool of Informationが社会科学と工学の間なので、その2つの分野を中心に書いています。

取得にかかる期間

博士号取得にかかる期間の中間値ですが、教育学が12年程度、人文系は9年、社会科学は8年、工学系でも7年。(うーん・・・長い!!!。私は4年目なので、中間値ですらあと4年ですか・・。)

人数・国籍

  • 年間6万人が博士号取得。上昇傾向だったが、ここ数年は落ち着いている。
  • 全体の75%が理系で、その差は年々広がっている。
  • 取得者のうち62%程度がアメリカ人、38%程度が外国人。
  • 外国人取得者の50%が中国人、23%がインド人、15%が韓国人、と続き、日本は3%程度で第9位。(私の肌感覚もその程度ですね。日本がんばれ!)
  • 性別では62%程度が男性、38%が女性
  • アメリカ人の中の比率では、工学系はアジア系アメリカ人が1位、教育系ではアフリカ系アメリカ人が1位。(理系でアジア系が多いのはイメージつきますが、教育学部でアフリカ系が1位というのは意外です。なぜ??)
  • 理系、特にコンピュータ科学と工学では外国人比率が高まっており、コンピュータ科学では半数以上が外国人。(確かに理工学部図書館は中国人とインド人で溢れてます。)

経済面

  • 博士号取得には時間がかかるので、資金は大きな問題なのですが、30%が研究助手、28%が奨学金、22%が講師助手、自費は15%。(皆さんあまり知らないのですが、アメリカの博士課程は自費で来ている人はほとんどおらず、だいたいは大学に助手として雇われながら研究をしています。)

卒業後

  • ポスドクに進む割合、工学や社会科学デは4割程度
  • 工学分野の卒業後の初任給の中間値は、ポスドク60,000ドル、大学70,000ドル、企業125,000ドル。
  • 社会科学分野の卒業後の初任給の中間値は、ポスドク42,000ドル、大学60,000ドル、企業95,000ドル。
  • 外国人で博士号取得後、アメリカ内で就職する率は8割程度。
  • 博士号取得の年齢の中間値は32歳程度。31−40歳が増加傾向。

まとめ

やはり驚くのは、なんといっても期間、、ですね。工学や社会科学でも7−8年、教育分野は12年とか・・・。博士過程への進学にはそれなりの覚悟が必要ですね。これを読んでも進学にご興味ある方、いつでも相談に乗りますのでお気軽にご連絡ください。

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コメント

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    • wakana より:

      はじめまして、日本の大学で旧帝大の工学部に在籍している大学2年生の者です。学科は土木系でまったく情報系に関係ないですが、独学で深層学習を勉強していてAIのアプリを学部生のうちに作ろうとしています。修士課程では東大大学院に行って深層学習の研究をしていきたいと考えています。また、将来アメリカのIT企業でAIエンジニアをしたいと考えております。直接大学院を卒業してからか、日本の企業に何年か在籍した後にアメリカの企業に入りたいと思っています。ここで質問ですが、現在行っているAIアプリの作成は企業に入るためのポートフォリオとしてと自分の力をつけるために行っているのですが、実際に意味はあるのでしょうか?
      ほかになにをした方がよろしいでしょうか?
      また、アメリカの大学院に入るにはGPAが高いといけませんが、他の専攻の僕はGPAを上げるより機械学習の勉強をしたいのですが、それでもあげた方がよいのでしょうか?
      質問が多くてすみません
      返信よろしくお願いします。

  4. Kanot Kanot より:

    wakanaさん、コメントありがとうございます。自分で作成するアプリ、もちろん意味あると思います。最近のアメリカのIT企業の試験では、テレビ電話越しのプログラミング試験が多いので、手が動くことは重要ですし、公開したプロダクトとかGitHubはいいアピールポイントになるのではないでしょうか。
    他に大学時代にできることとしては、私が今痛感するのは、基礎力としての数学の重要性です。特に線形代数と統計学の力はAI・データ界隈では重要で、数学力がないといくらプログラミングできても限界があると思います。理系におられるようなので、ぜひ大学にいるうちに、線形代数と統計学はきちっと身に付けておいた方が良いと思います。
    あと、将来的にアメリカのIT企業を目指すのであれば、新卒ではSIer・ITコンサルには行かないことをおすすめします。あそこはIT屋ではありますが、技術者育成所よりはプロマネ育成所なので、方向として違うと思います。
    最後に、GPAですが、足切りに使われる可能性が高いので、すごく高い必要はないですが、主要大学の足切り点である3.0は取っておいた方がいいですね。私も成績が悪かったので、非常に苦労しました・・。

    • wakana より:

      返信ありがとうございます!
      とてもわかりやすく、なるほどと感じました!
      他の留学者で、学部のGPAが低かったのを専攻が違うからという言い訳をしたと言われていたのを聞いていましたが、足切りのためにも3.0は必要だとわかりました。
      大学ではGPAを3.0ほどで大学院修士課程ではGPAを出来るだけ高く取りたいと思います。
      これからも記事の投稿楽しみにしてます。

  5. wakana より:

    先程質問したwakanaです。度々すみません。東大大学院で深層学習の研究をして博士号を取得した場合、アメリカの企業で働くのはむずかしいでしょうか?
    それよりも日本のIT企業で働いて転職した方がよいでしょうか?
    返信よろしくお願いします。

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