バングラデシュ情報ばかりですみません。バングラデシュ駐在中のKanotです。先日もこのブログをきっかけにバングラデシュでITビジネス立ち上げを検討中の方から問い合わせをいただきました。とても嬉しかったです。
さて、今日は母子保健の重要な要素である予防接種について、バングラデシュにて携帯電話を使って解決しようというサービスを紹介したい。バングラデシュにはmPower-HealthというITを使って保健分野の課題解決をしようという団体がある。その団体が提供するサービスの一つであるクラウドサービス「mTikka」についての記事が載っていた。
http://bdnews24.com/health/2013/07/30/cell-phones-for-vaccine-coverage
実は後進国と言われるバングラデシュでは、予防接種については80%以上が一歳までに必要な予防接種を達成しており、世界から評価を受けている。その予防接種率に満足せず90%を目指し、地方部の接種率(40〜60%程度)をあげるべくこのサービスは提供されている。
ご存知の通り日本では、時期になると自治体などから予防接種の案内が届き、無料で接種できるケースが多い。バングラデシュでも一部導入はされているものの、農村部までその情報を確実に行き届かせるまでには様々な苦労がある。
一方で、農村部でもかなりの母親が携帯電話を有している事実に着目し、そこを埋めるのがmTikkaの役割である。このクラウドベースのサービスでは、一度データを登録すると、SMSベースで定期接種の案内などが送られてくることに加えて、予防接種のデータ管理を行うことができる。
ここまでなら日本でもありそうなサービスであるが、mTikkaの面白いところは母親だけでなく医療機関などもこのデータを参照・更新できるようになっていて、予防接種への十分な知識のない農村部住民でも医者がきちんとデータ更新をすれば、予防接種状況の管理を出来るというものである。
日本でこのサービスをやろうとすると、個人情報などの壁もあり実現が難しいサービスであり、先進国にいてはこの発想は出てこない。やはりニーズは現場にいないと見つからない、と改めて感じたサービスである。
コメント
今まさに次から次へと子供の予防接種受け、どれがどの次かこんがらがってます笑。紙の母子手帳以外自治体がデータベース化して管理してるとも思えないし母子手帳無くしたら終りなので、この携帯サービス欲しい。
子供が寝てない限り、パソコン見る余裕なんてないし、ママ友との連絡必需品だから、日本の母親達にもお知らせサービス結構ウケはいいんじゃないかな?
Miyazakiさん
おっしゃる通り、日本でもニーズはありそうですね。でも機微な個人情報を扱うことから、このように医者でも看護士でも本人でも閲覧、更新できるようにするには、厚労省だなんだかんだと時間がすごくかかりそうですね。
私も自分の予防接種履歴、みたいです、、
Kanoさんお久しぶりです。FBで見かけて久しぶりに訪問しました♪
日本の公的機関の電子化は遅れてますね。。。個人的な愚痴でもありますが、ビザ申請も未だ紙ベースで毎回領事館まで行かないと行けないので、とても使いづらいです。モバイル対応もシンガポールや韓国に比べまだまだのようですし、技術大国なんだからもっとがんばってほしい!!
一方民間のアプリ開発スピードはなかなかですよね。母子手帳管理だとSUKUSUKU、親子健康手帳、Kazocなどのスマホアプリがすでに出ているようです。アメリカはプライベートの健康保険を使う人が多いですが、保険会社がそれぞれにオンラインのサービスを展開していて、日本では考えられないほど効率的にアポイントメントや履歴の管理ができています。
Usaminさん
日本の電子政府は遅れてると聞きますが、日本にいる人たちは比べたことないので不便さがわからないんでしょうね。韓国なんかは引っ越しも一つのオンライン申請だけで住民票も年金も公共料金も変更できると聞きました。母子手帳もアプリ止まりで官は巻き込めないんでしょうね、、、
ほんと技術はあるはずなので、サービスで頑張って欲しいですよね。
福祉をベンチャー的な考え方から見ると:
http://cybozushiki.cybozu.co.jp/?p=11735
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『規制と旧体質が非常に強いところでは、地域と行政のつながりが太く、仮に株式会社参入がOKとなっても認可されそうもない土壌があります。だから規制に首をつっこんで負けるよりも、質の高いサービスをポーンと作って注目してもらったらいいのではないかなと。認可されているところより、いいものを作ることを目指しています。』
『「福祉で儲けてはダメでしょう」という感覚が根強いことです。社会福祉も何年も進化せず同じ事を繰り返すのではなく、利益を出し、次の年はもっといいサービスを開発できれば利用者にメリットがありますが、それを求めない風土があります。』
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行政側(の担当者)も、単独の知識や経験では判断しきれない感があるので、可能ならば「「わかんないよ」を繰り返しながら口を開けて待っていて、嗜好にガチに合ったネタを待つ」「受け入れるか受け入れないかを判断する」だけの立場になりたいのかもしれませんね。
一方で、アイデアを持つベンチャー的な組織では、行政側の規制や「わかんないよ口撃を喰らって先にも後にも進まない」「押し寄せる書類作成攻撃」に対応するよりは、一般の人(納税者)に認知してもらってそこから行政に圧力を、あわよくば民間資金調達、という方に流れたくなりますわな。