e-Participation インターネットと民主主義

先日、日経新聞に「ネットビジネスと選挙」という題で、Googleの「未来のためのQ&A」というサイトが紹介されていた。
このサイトは、有権者から集められた質問に対して、各政党の立候補者が回答するというもの。で、面白いのが、回答がYouTubeを通じて、映像で配信される点。日経新聞には、“グーグルは、有権者と立候補予定者が双方向で政治を論じる「場」を無料で提供”と書いてある。

これを読んで、オバマ大統領のネットを使った選挙活動(資金集め)とか、日本の色々な政党が流しているネット広告とか、政治とネットの関係もこれからどんどん活性化・多様化していくのだろうと感じた一方で、昔「e-Government」という授業でエッセイを書いたときに、参考文献に使ったレポートを思い出した。

「E-Government Readiness Report 2005」(UN/DESA 2006)の調べによると、電子掲示板などを利用してネットで市民の声を聞くための取り組みをしている国、80ヶ国のうち、「市民の声を政策決定において考慮する」と名言しているのは28ヶ国である(同レポートの92ページから)。つまり、ネット活用によって、市民の「声」が大きくなる可能性は勿論あるけれども、結局、本当に民主化が促進されるのかは、政府がその「声」をどこまで汲み取るかによりけり、と言える。

さらに、途上国でのE-participationとかE-democracyとかは、それ以外にも、貧富の差がネット環境や識字率に直結しているので、ネット上での市民の「声」は、総じて、お金持ちの「声」となってしまう可能性も高い。

ネットと選挙、ネットとデモクラシー、なかなか一筋縄ではいかないけれど、なんか可能性を感じずにはいられないテーマです。

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