日本でICT4Dを学ぶ途上国からの留学生

3. その他

ども、Tomonaritです。今年も神戸情報大学院大学でのICT4Dの授業が始まりました。今年は、アフリカを中心に10カ国からの11名の学生さんが自分の授業を履修してくれています。毎年のことながら、非常に多様な顔ぶれの学生さん達と授業が出来るのは、ホント楽しいです。

自分の授業の内容は、主に「マンチェスター大学大学院のICT4Dコースで習った理論+JICAや協力隊時代に経験した実際のODAプロジェクトからの教訓」といったもの。特に、マンチェスターで習ったことのうち、「ICT4Dプロジェクトは、先進国で実施する(もしくは先進国の人が実施する)ITプロジェクトとは異なり、理想と現実の間にいろんなギャップがあるので、気をつけよう」という感じの講義が多いのです。

例えば、妊婦さんに定期的に検診に行くことや栄養価の高い食事を取ることを促すメッセージを配信してくれるm-healthサービスを構築しても、妊婦さんに識字能力がないとメッセージを理解出来ないとか、旦那や家族の理解なしには妊婦さんは検診へ行けないとか、金がないと栄養価の高い食事が取れないとか、そもそも携帯メッセージから得る情報よりご近所の年長者から聞く情報を信頼する文化だ、などなど。つまり、m-healthプロジェクトといっても、システム周りだけでなくかなり幅広いリスクも考慮しないと成果は出ないよ(システム構築=成果ではない)というような。

もう一つ例をあげます。e-Governmentプロジェクトのおかげでインターネットで各種証明書申請の手続きが出来るようになり、「役所の窓口担当者へ賄賂を渡さないと役所の手続きは対応してもらえない・・・」という市民の問題が解決された。でも、一般市民はネットでの申請作業が出来ないので、各地域の役所の出張所にPCを設置しオペレータを配置したら、オペレータが市民に賄賂を要求するようになった…というような問題が起きるよ、とか。公共バスのチケットをICカードに変えれば、料金徴収やキセル乗車がなくなるのでバス会社は皆ハッピーかと思いきや、利用者からのチケット料金を懐に入れるのが常であった運転手陣から反対の動きが出る…、などなど。

このように、基本、ネガティブなネタを紹介することが多いのです。さて、この内容、おそらく日本人が聞くと「へー、そうだよなぁ」と少しは感心してくれそうな気がしますが、実際、途上国からの留学生の反応はどうだと思いますか?

1.そんなの知ってる~
2.そうなの!知らなかった!驚き!

答えは、留学生によってまちまちではあるものの、総じて最初の例については、2の反応。2つ目の賄賂等の例については、1の反応が多い傾向です。賄賂に関しては、どの学生さんもだいたい「あるよねー」という感じで、自分よりも熱弁を奮ってくれる学生もいたりします。一方、m-Agriとかm-Healthとか、田舎をターゲットにしている事例を話すと、思いのほか、田舎の実情を知らない学生さんも一定数います。まあ、だいたいみんな自国の中央省庁の若手官僚とか大企経験者で且つ国費留学生とかなので、都会っ子なんだろうな。意外に田舎のことは知らない学生さんが多いのです。

日本で途上国からの学生さんがICT4Dを学ぶって、どういうメリットがあるのか・・・?(だって、彼らのほうが現地事情には詳しいはず…)、彼らが勉強したいのは日本ならではの最新テクノロジーであり、上記のようなことではなのかな・・・?という思いは毎年あるのものの、毎年、学生さん達の数名は、「ICT4Dってそこまで関心なかったけど、面白いね。興味湧いたわー」と言ってくれるので、今年も、そう感じてもらえるように楽しくためになる授業をやりたいと思います。もし、学生さん達とICT4D関連で意見交換したいという方がいれば、お気軽に連絡下さい。

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