GovTechってなに?e-GovernmentやDigital Developmentとはどう違うの?
こんにちは、Kanotです。最近GovTechというキーワードを時々見かけるようになったのですが、聞いたことありますでしょうか?GovernmentとTechnologyをかけた言葉で、行政サービスのIT化についての言葉です。
私がはじめて「GovTech」という言葉を聞いたとき、これまで同様の用途で使われてきた「Digital Government」や「e-Government」とはどう違うの?という点を疑問として感じたので、整理してみたいと思います。
まず、言葉の定義ですが、以下の世界銀行HPの図がわかりやすかったので、引用して説明したいと思います。
つまり、これらの言葉はいずれも行政サービスのIT化という点では本質的には同じなのですが、時代によって少しずつ意味と意義が変わってきたため、言葉としても変わってきたというのが実情でしょうか。以下がその変遷です。(上図を私の独自解釈で言葉に落とし込んだもの。)
Analog Government
これが一番古い言葉のようで、デジタル以前の政府です。内部プロセスに閉じたオペレーションフロー、紙を中心とした手続きフロー、そして政府の位置付けはサービス提供者であったとのことです。
e-Government
ユーザ中心アプローチではあるものの、あくまでサービス提供者(政府)視点のものであったようです。また、基本的には一方向のコミュニケーションで、あくまで行政側が住民にサービスを届けるためのシステムです。つまり、ICTを活用した手続きにはなりうるのだが、あくまで紙の手続きを電子化したものにすぎません。
また、大きな変化としては、電子化により透明性が大きく改善しました。
Digital Government
この辺りから、紙の手続きの電子化ではなく、デジタル環境を前提としてサービスがデザインされるようになってきたようです。ユーザの視点も公共サービスに取り込まれるようになってきました。
そしてGovernment as a Platform (GaaP) という言葉が出てきて、政府サービスがプラットフォーム化される事例が出てき始めています。共創のために情報・ソフトウェア等のオープン化も進められ、公共セクターでデータ活用という概念が出てきています。
GovTech
政府のオペレーションとサービスを透明性を持って進めるための市民中心の公共サービスが立ち上がり、どこからでもアクセスできるようになってきています。
政府全体としてデジタル・トランスフォーメーションが進み、シンプルで効率的で、そして透明性の高い政府システムが実現しつつあります。
そういったGovTechを推進していくにあたり、現在の政府が抱える課題は以下ようなものがあるようです。(世界銀行 GovTech HPより)
- 政府に対する信頼は低い。透明性と包括性が重要。
- ハイレベルでのコミットとリーダーシップが必要で、汚職リスクを下げていく必要がある。
- デジタル政府戦略や公共セクター改革は難しい。
- プラットフォームやサービス開発のために予算が必要。
- サイバーセキュリティやデータ保護なども重要。
- デジタル化の裏で、WDR2016で行っていたようなアナログコンポーネントも引き続き重要。例えば、効果的な法制度、技術力の向上、責任なる組織など。
- GovTechによって、既存のデジタルデバイドやリテラシーが悪化しないようにする。
現在抱える課題が挙げられている一方、以下のようなチャンスもあると考えられているようです。
- COVID-19で見えてきたデジタル化しないことのリスクを埋めるために、リモートでいろいろな手続きができることの重要性は再認識されている。
- 政府の手続きのデジタル化は、行政のシンプル化・効率化・透明性の向上をもたらす。また、デジタル化の推進は一般的には汚職の低下をもたらす。
- 政府の電子サービスを一元化し、税金から土地登録などまで一つのプラットフォームにおいて管理することで、より効果的かつ適切な政府の決定を行うことができる。(余談:日本ではマイナンバーの普及反対などでこの動きを好ましくないと思っている人はいまだに多いですね。)
- 政府とのコミュニケーションをSNSなども活用することで一方向から双方向へと変えていく。
ちょっと直訳のような箇所が多く、自分用のメモ書きのようになってしまいましたので読みにくかったとは思いますが、どなたかご興味ある方もいるかもと思い、記事として共有させていただきました。
コメント