今回の投稿は日本の事例であるが、今後のIT教育について考える機会になったので紹介したい。事例は佐賀県武雄市の公立小学校の1年生にプログラミングをDeNAが教えているというものである。
DeNA南場氏は、なぜ教育に燃えているのか
http://toyokeizai.net/articles/-/63846
この学校でのIT教育の特徴はDeNAの支援を受けて、所謂IT教育ではなくプログラミングを教えているとのこと。もちろんJavaやCといったアルファベットを基本とするプログラミングではなくビジュアルプログラミングと呼ばれる図形などで視覚的に行うプログラミングではあるが、このアプローチは面白いと感じた。
というのも、私自身もプログラマーであった経験ので感じるが、プログラミングほどロジカルなものはない。一つでもロジックがずれていたら正しく動作しないし、動作しないことには必ず理由がある(転職後にこのことを痛感した)。それに加えて、プログラミングは答えが一つではなくクリエイティブである。いわば図画工作の現代版か。美術のような芸術性とは異なるので美術科目の代替にしてはいけないとは思うが、この物作りが見えなくなっている世の中で、自分の力で新しいものを自由に作れるという体験は教育上よいのではと思う。
南場氏も書いているが、現在成功しているGoogleにせよFacebookにせよ、創業者が自身でプログラミングして始めたサービスであり、自分で考えたアイディアをカタチにする能力はこれから重要になってくると思われる。その一方で日本の大手ではプログラマーよりも営業・設計の人材のほうが付加価値が高いとされていて、この辺りのガラパゴス化も今後どうなっていくのか気になるところである。
一方の途上国では、IT教育という言葉は広まってきているが、初等・中等教育レベルでは、基礎リテラシーとして一般知識を教えるのがせいぜいであり、クリエイティブな人材を育てるというところまでは行っていない。このように途上国が近づいても先進国が先を行ってしまうので、デジタルデバイドというのはITの進化が止まるまではおそらく解消されないのであろう。
他にも、慶応義塾大学でも村井教授を中心に、IT入試を導入するなど、個性的な学生を取るための手法としてITが選択肢になっているケースも出てきており、今後の日本のIT教育が楽しみである。
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