3Dプリンタで途上国に家を建てる!!

イノベーション・新技術

少し前の情報ですが、3Dプリンタで家を作ってる会社があるという話があり、久々にそのプロジェクトについて噂を聞く機会があったので、紹介したいと思います。

3Dプリンタで家???まぁ何を言っているのかピンと来ない方もいるかと思いますので、こちらの動画を見てください。まさに百聞は一見に如かずです。

世界中に1億人はいると言われている安心な家に住めない人のためのプロジェクト。この家の特徴は、以下の通りです。

  • 価格が安い:約4,000ドル(45万円程度)
  • 建築期間が短い:24時間以内に一軒作れる
  • 大工が要らない:3Dプリンタと材料(セメント?)があれば建築可能
  • 設計士が要らない:すでにある設計書を3Dプリンタに読ませるだけ

この動画では、家具などが置いてあってあたかもすぐ住めそうに見えますが、実際は窓枠をはめて窓を付けたり、インフラ(電気・上下水・ガス)などを引かなければいけないなど、多少手間はかかるようです。

このプロジェクトを実施しているのは、New StoryというNPOとICONという建設会社の合同プロジェクトです。すでに試作品はテキサスにあるようです。その写真がこちらです。なかなか立派ですね。

現在このプロジェクトでは、最初のターゲットとしてエルサルバドルにて建築を進めていく計画があるようです。今後も難民キャンプや災害の際の仮設住宅など、様々な応用ができそうですよね。

現実的には、機材を運ぶお金や材料調達など、機動力には課題も多いと思いますが、夢のあるプロジェクトで、どのように発展していくのか、非常に興味深いです。

と、ここで記事を終わりにしようかと思ったのですが、一軒50万円程度って、日本の仮設住宅と比べるとどうなんだろうと調べてみたところ、東日本大震災の際の仮設住宅は建設費として約230万円かかっていたようです。つまり、3Dプリンタだと日本の仮設住宅の五分の一程度の費用で作れるということですね。一方、日本のケースでは、その後のインフラ等々で500万円程度追加でかかっています。つまり、建物代よりもその他費用の方が高いということです。

【図解・社会】東日本大震災・仮設住宅1戸当たりの建設費用(2012年5月12日):時事ドットコム
グラフィック・図解: ※記事などの内容は2012年5月12日掲載時のものです  東日本大震災の被災地に建てられた仮設住宅の建設費が膨らんでいる。土地の造成費がかさんだ上、防寒やバリアフリーの対策で追加工事を繰り返したためで、1戸当たり平均額は当初の想定を上回り、600万円前後になった。今後も工事の追加が予定され、宮城県...

このNew Storyのプロジェクトも、建築後の方が色々とお金がかかってくる可能性もあり、そこの費用を誰がどういう形で負担するか、なども気になるところです。

なお、アイキャッチの画像も冒頭の動画から引用しています。

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