インド出張からかえってきて、グダグダしているところ、、ふとテレビをつけるとこんな番組がやっていて食い入るように見てしまった。
以下NHKから抜粋。
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ヒューマンドキュメンタリー「“小さな金融”が世界を変える」
枋迫篤昌(とちさこあつまさ)、57歳。日本の大手銀行を退職し、2003年にワシントンで金融会社を立ち上げた。そのざん新なビジネスモデルは、米連邦 準備銀行が業務提携を決めるなど、世界に注目される。枋迫は、世界じゅうで28兆円に上る移民たちの国際送金に目をつけ、独自のアイデアで貧困層に向けた 新たな金融サービスを次々と生みだす。銀行が相手にしない貧しい人たちに、金融サービスを届けようと奔走する姿に密着。
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なぜ大手銀行を辞めてまで米国にいる南米系移民のための金融サービスを提供することを考えるまでに至るには、この方の過去の中南米での経験によるものが大きい、、というところから現在もサービスの展開のために仲間と奔走する映像とかは本当に面白いドキュメンタリーだった。再放送があったら是非。
少しこのブログ的観点でみると↓
このビジネスモデルの核になるのは送金システム。米国に多い中南米系移民はこれまで本国の家族へ日々稼いだお金を送金するために、手数料の高い(確か15%位?)送金業者を使うしか手立てがなかった。既存の送金業者の独壇場だった市場に、ITによって現地金融機関(送金先)との提携を行うことで手数料を格段に(確か5%位?といっていた)下げることが可能に。
なるほど、ここまでだと何か携帯SMSを使った送金とか”移民の送金問題”へのITの活用ということでなんとなくこれまでにもなんとなくあるサービスなのかなと感じた。(もちろんそれを実現させることは物凄い事なのだけれども)。でももう一つ面白いと思ったのはこの組織では送金する顧客に対してお金を貸すこと(マイクロファイナンス)。
よくマイクロファイナンスの問題では顧客の審査の基準が問題になっている。貧困層の人々が本当に返すことができるのか、ということを審査するのは難しい。しかし、顧客の送金履歴を以ってしてその顧客の信用度を審査すると仕組みにはなるほど納得。コツコツと送金している人であれば確かに返済を踏み倒すリスクも低いだろうし。
そして、その次のステップの金融商品は「国境越えローン」とのこと。
つまり米国にいる子供(と仮定)が本国の親の事業のためにお金を借りつつ返済は自分が行うということ。前述の送金システムとマイクロファイナンスの仕組みを組み合わせた商品だ。なるほど、これなら本国でお金を借りることができない家族にも送金することによってお金が行き渡りわけだ。
既存のビジネスの仕組みにITとアイディアを加えることでよりよいサービスにかわっていく。
あー久々にいい番組を見た。。
Microfinance International Corp. 日本語サイトもありました。
※ちなみに、枋迫社長は、2009年のビジネスウィーク誌「米国で最も有望な社会起業家」に選ばれているらしい。たソーシャルビジネス(社会貢献的な事業) の分野に詳しい人々が推薦 した200人以上の候補の中から教育、環境、国際平和などに取り組む25人が選ばれ、金融業界で選ばれたのは同社のみとのこと。
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