本日はバングラデシュにおける携帯電話の話を書きたい。
現地紙によると、バングラデシュでは携帯電話ユーザが急増しており、2012年9月時点で約9,500万とのこと。昨年12月より一年足らずで約1,000万増えており、驚くべきスピードと言える。
この数字については、ユーザ数ではなくSIMカード販売数とのことではあるが、8割のユーザは一つのSIMしか持っていないとのことなので、7〜8,000万人程度は携帯電話を持っていることになる。バングラデシュの人口が1億6,000万人くらいなので、実普及率50%といったところか。
最貧国と言われるバングラデシュですらこの程度普及しているという携帯電話。BOPビジネスとして、これまでの最も成功したものであるだろうし、今後これを越えるBOPビジネスは出ないであろう。逆に言うと、携帯電話ユーザをターゲットにしたビジネスというのは可能性は大きいのではないだろうか。
話がややそれたので、バングラデシュの携帯電話に戻す。
9,500万契約のキャリアごとの内訳だが、以下の通り。
一位 グラミンフォン 41.67%
二位 バングラリンク 26.95%
三位 ロビ 21.09%
この上位三社で、シェアの9割程を占める。
ここで驚くのが、三社とも民間企業であり、国営のTeletalkは完全にシェアを失っているということである。通常どこの国でも、(元)国営企業が既得権を守り、シェアのトップにいるケースが多い。そうじゃないのがバングラデシュらしい。
トップのグラミンフォンは、社会起業家の憧れ、モハメドユヌス氏が作ったグラミン銀行の子会社である。グラミン銀行の説明は関連HPも無数にあるであろうと思われるので割愛するが、農民や貧困層にターゲットを当てた銀行である。
グラミン銀行では、携帯電話を農民支援のツールとして昔から注目をしていて、グラミンフォンについても農民に携帯電話を持たせ、公衆電話のように利用してもらうサービスなどを行い、貧困層の所得向上に貢献してきた。そのような草の根の活動の成果もあってか、現在のシェアまで上り詰めている。
ICT4Dを志す私としても、このようなグラミン銀行の先見性、携帯電話の活用などは興味あるところであり、今後も成功の秘訣など調べて行きたい。
コメント
バングラデシュといえば、JICAもこんなことやっていたんですね。JETROみたいだ….(失礼)。
バングラデシュを進出先に!-JICAが企業向けセミナーを開催-
やってたみたいですね。私も知りませんでした。。。またやりたいですね。ミャンマーに負けないように。