Hackathonというイベントをご存知だろうか。
ハッキングとマラソンを合わせた造語で、一定の期間に一定のお題の元にマラソンのようにアプリケーション開発を競うというイベントである。
具体的には今回はSanitation Hackathonというタイトルで、ドナーなどが感じている衛生分野の課題をアプリケーションを通じて解決するアイディアを競うというイベントになる。
ここバングラデシュでは、2012年11月末にこのイベントがあり、現在参加者を募っている。
主催は世界銀行で、GoogleやYahooといった企業も協賛している。
参加するためには、チームを作り、エントリーをする。学生がメインターゲットということもあり、指導教官もメンターとして記入する必要がある。もちろん現役のITエンジニアも参加可能。
学生やITエンジニアのプログラミング能力とアイディアを、チーム対抗イベントとして盛り上げる、さらには衛生、貧困問題まで解決してしまおうという非常に面白いイベントと思う。
私も結果発表の場には参加することも検討しているし、おそらく優秀なアプリケーションは企業やドナーが資金援助して実際の貧困問題に取り組むことになる可能性もあると思う。
まさにICT for developmentである。
コメント
面白いですね。NokiaやGoogleもアプリコンテストをやったりしてますが、衛生分野でのアプリってので途上国開発に貢献出来るってのがICT4Dですね。日本の企業もこういう試みを途上国でやってみるのが、BOPビジネスの足がかりとして良いのではないかと感じます。
コンペ形式って盛り上がりますし面白いですよね。企画する側は優秀な参加者をどれだけ集められるかが勝負ですね。
コンペつながりで、ひとつご紹介まで。
最近シリコンバレーで注目されている企業でKaggleという会社がありますが(http://www.kaggle.com/host/whatkaggleis)、ここもコンペ形式で世界中からアイディアを募りクライアントにソリューションを提供しています。
クライアントは問題解決にあたり分析すべきビックデータを提示し、Kaggleがデータにセキュリティ面の対策やクリーンアップをして参加者に提供します。有名どころではNasaやFacebookなんかも顧客リストに入っています。
世銀もつい最近、ワシントンでこの企業と一緒に開発へのビッグデータの活用に関するイベントをやってました。(http://bigdatabigimpact.eventbrite.com/)
数ヶ月前にKaggleのエンジニアと会う機会があったのですが、会社としてはノンプロフィット分野にも非常に関心があり、幅広く社会の問題解決に役立ちたいという方針だそうです。
今はまだヘルスケアの案件しかないみたいですが。
ただ、今後途上国からもっとデータが取ってこれるようになれば、開発関連の案件が出てくるかもしれません。
そういう意味ではこの業界で一番データを持っているであろう世銀に期待、という部分もありますね。
課題は、このバングラのイベントも然りですが、人材獲得との由。
ビックデータの解析や将来予測のためのアルゴリズムをデザインできる人材がまだまだ少なく、今は完全に需要が上回っている状態だそうです。
ビッグデータというキーワードはよく聞いていましたが、そんなに主流になりつつあるんですね。ゴミの山が宝の山に変わるビッグデータ。
そしてお二人がおっしゃるとおり、コンペ形式というのは盛り上がりますね。この国でもBUETという国内最高峰の工科大学を中心に巻き込んでいて、バングラの若くて優秀な才能が集まったイベントになったと思います。