日・バングラ首脳会談の共同声明にIT資格試験プロジェクトが!

現在(2014/5)バングラデシュのハシナ首相が公賓として訪日中である。その中で首脳会談が行われ、安倍・ハシナ両首相の共同声明が発表された。

その中では様々な事項について記載されているのだが、なんとその中で唯一、JICA案件として具体的に書かれているのが、バングラデシュに情報処理技術者試験を導入しようと実施中の「ITEEマネジメント能力向上プロジェクト」であった。

両首脳は、国際協力機構(JICA)及び情報処理振興機構(IPA)の技術協力により今年10月末までにバングラデシュにおける情報処理技術者試験の制度導入が予定されていることを歓迎した。両首脳は、本制度の導入を含め政府の支援と民間セクターの関与によって,バングラデシュの IT 及び関連産業が発展することへの期待を表明した。 (共同声明15項)

本プロジェクトは自分の担当案件であり、本部にいた時に立ち上げを行い、赴任後現地で担当するという思い入れの強い案件でもある。また、他国で導入経験のある経済産業省推薦の専門家、青年海外協力隊OBでベンガル語堪能な専門家、日本で情報処理技術者試験を運用する情報処理推進機構(IPA)、現役の協力隊員など様々な方々の力を借りながら案件を実施している。

正直、共同声明に入るとは全く予想していなかったが、担当者としては素直に非常に嬉しいし、(日本資格の導入ではなく)バングラデシュの国家資格として導入を目指していることもあり、首相公認案件としてこのことがバングラデシュ側の大きな導入モチベーションになることは間違いない(というかスピーチや交渉でこの話題を利用して行く予定)。

そしてこのことが、バングラデシュ国内のITスキルの底上げ、輸出産業としてのITの強化、そして日本のIT企業がバングラをオフショアやパートナーの視野に入れる一つのきっかけになることを切に願う。

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Kanot
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コメント

  1. Ozaki Yuji より:

    おめでとうございます。
    プロジェクトや成果が注目され、公的なチャネル・媒体に名前が出てくるのは良いですよね。
    バングラデシュでは、ITSSに先んじてITEEを導入していたんですね。うまくやっているなぁ、と感嘆することしきりです。

    ITSS的な考え方って、他の分野に応用がきくと思うんです、というか、求めている分野は結構多いみたいです。ただし、ITSSは本来人材育成のツールですが、ぱっと見てキャリアフレームワークが人事等級枠に似すぎているので、それを直接人事評価に応用しちまえ、なんて安直な誤解を防止するのが大変だったりしますが…。

    • Kanot Kanot より:

      Ozakiさん、コメントありがとうございます。こっちでは、まだまだ日本企業の進出が少なく、この資格をいかに国内資格として根付かせるかが課題です。(その方が裾野も広がり収益性も高まりますよね)
      ITSSもラブコールはあるのですが、なにせ概念なのでご指摘の通り普及のさせ方が難しいですよね。

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