11月18日の日経新聞に、「パナソニック、アフリカで「ガラケー」1月発売 知名度向上 スマホ普及へ布石」という記事があった。アフリカで低所得層をターゲットに1500〜2000円でガラケーを売るという。「家電のブランド力で新興国メーカーに先行して市場を押さえる」という狙いらしい。最初にこのニュースを見て、正直、ずれていると思った。
既に新興国メーカーが遥かに先行しているにも関わらず、今更感ありありだ。どういうガラケーなのかは分らないが、本当に普通のガラケーじゃ、低所得層も食いつかないと思う。以前の投稿で、ガーナではガラケーのことを「ヤム(やむいものこと)」と呼んでいる事を書いた。「ヤムを捨てて、スマホに変えよう!」という看板が町に立つくらいだ(上記のような看板です)。勿論、田舎ではスマホを持てる人は非常に限られているけど、1500〜2000円でガラケーを買うなら、5000円出して中古のスマホを買いたいというのが消費者の思いじゃなかろうか。
ちょうど、DMMの面白いニュースを見た。「DMMがあの「CASH」を70億円で買収するワケ」という東洋経済の記事だ。DMMが「CASH」という中古品買い取りを行うサービス(ユーザに負担をかけずに、商品の写真等を送れば、その場で即買い取りしてくれるサービス)を展開するバンクというスタートアップを70億円もの金額で買収したという内容。詳しくはリンクの記事を見てもらいたいが、このCASHというサービス、あまりにユーザがバンバンものを売るために買い取り資金がショートし、そこにDMMが買収を持ちかけたという。DMMがDMM.Africaとしてアフリカビジネスに積極的に出て行っているのは、ご存知のとおり。この記事で一番面白かったのは、「(DMM社長の)亀山さんは「CASHで買い取ったスマホをアフリカで売るぞ~」と張り切っています。」という一文。パナソニックとのアプローチの違いが鮮明過ぎる。
低所得層が今更ガラケーを購入するのは、ある意味興味深い実験的取り組みだと思うが、せめて、機能はガラケーでも外見はスマホに見えるような、そんな工夫をしないと売れないんじゃなかろうか。もう10年近く前に、インドでは「外側はスマホ、中身はガラケー」という携帯が町の電気屋で売られていた。やっぱり、カッコいいから携帯はここまで普及したと考えると、ふた昔前のノキアのガラケー的なのじゃ売れないと思う(ノキアのやつは懐中電灯機能が付いており、それはそれでとても便利だったが・・・)。
コメント
これを読んでて思い出したんですが、Nokiaのすごかったところはあのずば抜けたタフさ、どんなことしても壊れなかったところだと思うんです。今のスマホはデリケートなので周囲でも驚くほどよく買い変えてますし、iPhoneの画面とか割れてるのがデフォなんじゃないかと思うくらい。パナソニックが「どんなことしても死なない」スマホを開発できたらアフリカでも売れるでしょうね・・・
先日運転手が持ってたiPhoneを壊して、代わりに買ってきたガラケーがダイキャスト製のミニカーにNokiaが入ってるような代物だった。ガラケーがとんでもない方向に進化してるのを見て心が震えました(笑)
ダイキャスト製のミニカーにNokiaが入ってるような代物・・・ウケる。
確かに懐中電灯付のNokiaはタフだったなぁ。自分がエチオピアを去った後も、エチオピア人の友人が5年くらい使い続けてたような記憶が。ガラケーの殻を破るガラケーをパナソニックが投入したら・・・、それは面白いかもしれないですね。