最後は自分自身を肯定して〆ます(キャスタリア セミナー その③)

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ども、Tomonaritです。やっと少し涼しくなって、我が家のハムスターも元気を取り戻し、ホッとしています。

さて、キャスタリアのセミナー「Tech Africa Vol.1 アフリカ最重要問題「教育」をテクノロジーサイドから語る」についての第3弾です(これで最後)。

私も参加させてもらったパネルディスカッションのなかで、アフリカ開発銀行の遠藤さんアフリカの発展とICTについての話がありました。

通常、国の発展は農業を始めとする第一次産業が発展し、次に第二次産業、そして第三次産業へと移行して行くのですが(←なんで?という方(実は自分もその一人)、こちらサイトの説明「エンゲルの法則とペティクラークの法則」が分かり易いです)、アフリカは違う。そもそも、第一次産業も未発達であり、第二次産業も未発達、そして、GDPに占める第三次産業(道端の物売りなんかもひっくるめて第三次産業)の割合が高い。「じゃ、まずは農業から」という話になるが、ICTはそこに、これまでとは全く別の経済発展の可能性を提示する。プログラミングスキルを身につければ、途上国で何も生み出さなくても、クラウドソーシングでそれなりの収入を得ることが出来る等。アフリカの発展のかたちは、経済学者達も予想が出来ない未知のものだという。

自分もICTによってオーソドックスな経済発展は難しくなると言う点には同意です。以前書いたように、「ICTによって工業化による発展が困難」というのが自分の意見です。一方、クラウドソーシングによる所得向上という話になると、個人を経済的に発展させることは出来ても、国を発展させるのは難しいのではないかと感じます。センスが良くスキルを磨き続けることが出来る者以外は、より賃金の低いエンジニアに取って代わられていくのかと。

アフリカの「未知なる発展のかたち」に、日本人である我々がどう介入出来るのか、すべきなのか?という点については、その後の飲み会のテーマになりました。経済学者じゃない自分にとっても興味深い話です。以前の投稿「途上国の、途上国による、途上国の為のICT4D」で「現地の人々による現地の人々の為の現地のICT4Dってのが理想的」と書いたけれど、「だったら、イノベーション促進だなんだと、ODAにしてもSDGビジネスにしても、そもそも介入しない方が良いのでは?」という思いも頭の片隅にあります。この日の飲み会の翌日だったか、先日の投稿「イノベーション支援ブーム」へのコメント欄(色んなコメント、ありがとうございました!)に以下のコメントをキャスタリア時田さんがくれました。

TOSHIさんがコメントされていたInnovationはHappenするものというのがすごくしっくりきました。

個人的にはケニアのことしかわかりませんが、インターネットの普及が進んできていることや、techコミュニティが形成されてきていることに対する期待感はすごく強くあります。

一方で、本当の意味でアフリカでイノベーションが起きる時は先進国に近づけるようなことではなく、誰も聞いたことがない独自の道を行くことになると思うのですが、国際機関や国がどこまで事例がないアイディアを支援できるのだろう、というのは気になります。

さらに言うと、このようなプログラムから出資を受けるために先進国ウケしそうなアイディアばかりが出てしまわないか、と勝手に不安になったりしています。

これ、まさに自分がモヤモヤと思っていた点が、シンプルに言葉になった感じでした。

飲み会ネタでもう一つ。中国のデジタル鎖国政策が結果的に成功しているという話題も取り上げましたが、この件については、「アメリカもヨーロッパも似たようなもの。アメリカは国家じゃなく、GAFAといった企業がユーザ囲い込み(=鎖国の逆だけど、自分の縄張りを固持しようとする点は鎖国と同じ)をしているし、ヨーロッパはGDPR(EU一般データ保護規則)でやはり鎖国をしようとしている」という意見が出て来て、そのとおりだと納得。国際協力としてアフリカが必要としている支援は、イノベーションそのものの支援よりも、「アフリカ版デジタル鎖国政策への支援」なのかもしれないと感じました(勿論、既にドナーは経済・社会のデジタル化に関連する法整備支援とかも支援していますが、バランスの問題として)。

でも、上記の時田さんコメントのように相手を気遣う気持さえ持ち合わせていれば、そこまで細かいとこをごちゃ考えずに、「アフリカでICT!?、面白そうだからやってみたい!」でも良いのかも。と、最後は自分自身を肯定して〆てみました。

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