OLPCプロジェクトから学べる点は?

InfoDevとUNESCOのバックアップでおこなわれているEducational Technology Debate。現在のテーマは、OLPCプロジェクトから学べる点は何か?(What We Learned from OLPC Deployment)。OLPCについてはこのブログでも何度か紹介してましたが、ついにウルグアイとペルーで、児童一人についき一台のOLPCという環境が達成されたようです。約40カ国の国々での配布台数が100万台を超えた今、OLPCプロジェクトを振り返って学べる点は何かということが議論のテーマ。

いつくかの意見が書かれてましたが、学べた点として重点が置かれていたのは、「やっぱり現場のやる気次第だ」といったことが強調されています。「色々な国で様々なアプローチでOLPCが導入され、それぞれの国で状況によったメリットや困難がリポートされているが、結局、総じて言えることは、現場の教師をどうプロジェクトに巻き込むかがカギである。教師の主体的な協力がないと、OLPCが生徒に配られても、先生の板書をOLPCの画面にタイプしているだけ・・・といった状況にもなりかねない。」といったことが指摘されてます。

たしかに、途上国の教育現場では、教師の持つパワーは強く、その教師は場合によってはOLPCによってその威厳を奪われる可能性もある。生身の教師VSノートパソコンという構図でなく、ツールとしてテクノロジーをどう使いこなし、教育の質を向上させるかは、やはり教師にかかってくるし、それ故に教師に対するキャパシティディベロップメント的な訓練が必要になる。ちなみに、自分がエチオピアのプラズマTVについて修士論文を書いたときにも、同様の結論に帰結した。

やっぱりテクノロジーはそれだけでは期待するメリットはなく、使う人間の方の能力を向上させるようにしないと、ICT4D、ICT4Eプロジェクトの成果は上がらないのだろうと改めて思う。

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教育・人間開発

コメント

  1. tomonarit より:

    ちなみに、紹介しているEducational Technology Debateの今回のテーマについて、元クラスメイトのChrisが投稿していた!なんか懐かしい。

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