学校へのICT投資は無駄?

“Most investment in technology in schools is wasted.”(学校へのICT投資のほとんどは無駄?)という題名で、InfoDevがディスカッションを行う。4月21日に行われるこのディスカッションは、Webでも見られるとのこと。インドを含む南アジアの学校におけるICT投資の効果について、プライスウォーターハウスクーパーズ・インディアがレポートをまとめた。このレポートもディスカッションのときに紹介されるそうだ。

主な議題は次の通り。

  • 南アジアの教育システムは大規模なICT利用に向いているのか?
  • もし、そうだとしたら、ICT利用を成功に導く為の組織面・資金面での前提条件は?
  • 教育システム、教育現場、その監理においてどんな変化が必要か?
  • どのように成功を評価するのか?
  • 今後の参考となるグッドプラクティスは?

ディスカッションの最初と最後に観客が「学校へのICT投資のほとんどは無駄?」に対してYes、Noを投票する仕組み。どんなディスカッションになるのだろうか?面白いかも。
しかしながら、この手のディスカッションは、結局お決まりの結論になるのではないかという予感も。つまり、「ICT導入そのものが問題解決でない!それをどう使うか、ITリテラシー、教師のスキル・モチベーション向上、インフラ環境、政府の教育ポリシー、といった諸々の諸事情を考慮して、ホリスティック(総合的・全体的)な対策を取ることで、ICTは教育の質・量の向上に大幅に貢献する」みたいな結論。2~3年前から、ICT for Education関連のジャーナル記事や国際機関のレポートを見ているが、正直、上記のような結論から進歩があまりない気がする。実際、自分も2年前に修士論文(http://edu-ict4d.com/report.html#25)で同じようなことを書いたけど、それから自分のなかでICT4Eについてのアイデアに進歩もないわけで・・・。今回のディスカッションでは、新たしい意見が出てくるだろうか。

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3. その他

コメント

  1. Atuchan より:

    tomonaritさん、

    それは問題提起をしないと。 4月21日はワシントンに一時帰国する飛行機なので自分は参加は出来ませんが、是非意見の提起をしてください。 多分GICTのOleg Petrovがファシリテーターになっているはずですが、彼は結構会議の途中にメールやツイッターからの質問を見ていますので、tomonaritさんの意見が採択される可能性が高いと思います。

    教育分野はそのメリットがわかりやすいわりには、成功例が少ないですよね。 自分の個人的な感じでは、多分一番成功例が少ないかもしれません。教育分野はフォーマルな分野であり、イノベーションが(特に教育を行う側に)浸透しにくい様に感じます。

  2. Atuchan より:

    この意見(既存の結論以外に新しい発想が無いのか?)、是非提起してください。 21日の会議はいつものようにGICTの Oleg Petrovが多分ファシリテートすると思いますが、彼は会議中よくTwitterやメールでのコメント・質問を見て、討議質問の際にパネルに問いかけますので。 残念ながら私は21日赴任先からDCに一時国帰国するための飛行機の中にいるはずで、この会議をライブで見ることが出来ませんが、どのような答えが返ってくるか興味があります。

    教育とICTは、その関係性や有意義さが判り易いわりには、最適な例がなかなか現れない分野だと思います。 私がUNDPにいる際にも、案件のサポートを何件かしたことがあり、少ないながらもこの分野の情報を探すことも行いましたが、革新的かつ持続的にICTを教育改革に取り入れて成功した例というのは記憶に無いです。

    教育を行う側がICTを使うことに抵抗がある、もしくは使いこなすためのキャパシティが不足しているのが問題の大きな一つであるとも聞きましたが、どうでしょう?

    前回のコメントがアップデートされなかったみたいで、再投稿です。

  3. […] その通りなんだと思った。OLPCが注目され始めた頃から、「PC配るだけじゃ駄目」的な意見は色々なところで言われていた。問題は、やらなきゃいけないとわかっているのに出来ない点。 前回の投稿で、ICT4Eプロジェクトについて、「ICT導入そのものが問題解決でない!それを どう使うか、ITリテラシー、教師のスキル・モチベーション向上、インフラ環境、政府の教育ポリシー、といった諸々の諸事情を考慮して、ホリスティック (総合的・全体的)な対策を取ることで、ICTは教育の質・量の向上に大幅に貢献する」みたいなことが数年前から言われているが、それ以上の進歩がない、と書いた。 […]

  4. tomonarit より:

    Atuchanさん

    コメントありがとうございます。21日の会議、出来ればライブで追ってみようと思います。

    >教育を行う側がICTを使うことに抵抗がある、
    >もしくは使いこなすためのキャパシティが不足しているのが
    >問題の大きな一つであるとも聞きましたが、どうでしょう?

    自分もこれはあると思います。

    ・使いこなすことが出来ない(単純にスキルがない)
    ・PCやビデオ講義を導入した結果、自分の役目なくなって生徒に対して教師の威厳を落とすことに繋がる恐れがある
    ・要はICTを使いこなせないのが原因。だけれど、安月給は変わらないのに余計な労力や時間を使ってICTを覚えるモチベーションはない。

    やっぱり最後は人の問題なのかと思います。

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