このところ、ITビジネス関係の雑誌やニュースを見ると、「クラウド」についての話題が必ず目に付く。今日見た日経コンピュータでもクラウドだらけでした。まぁ、利用者にとって便利なクラウド。そのうち、「クラウド2.0」とか、「クラウドfor Development」なんて言葉も出てくるんだろうなぁと思っていたら、Educational Technology Debateで”Granny Cloud(Granny=おばあちゃん)”という用語を発見したのご紹介。
“Groups and Grandma: Home Computer Use Boosters“というタイトルのトピックで書かれていたのは以下のようなこと。
お遊びWebサイトや有害Webサイトへのアクセスを禁止するフィルタリングがかかってないPCを子供に与えた場合、十中八九、子供達の学力向上には寄与しないといわれている。しかしながら、同じ環境下でも学力向上を可能とする方法がある。それが、GroupとGrandmaだ。
◆Group
あるインドでの実験によると、子供達を個人ではなく、グループにしてPCを使用させると、彼らは難しい問題を解くことが出来るようになったりする傾向にあるという。例えば、バイオテクノロジーに関する情報を入れた英語版PCを用意し、英語が出来ないインド人の子供達のグループに2ヶ月間自由にPCを使わせたところ、英語がわからないにもかかわらず、バイオテクノロジーの成績がアップしたという実験結果がある。
◆Grandma
おばあちゃんが子供を褒めるように、「すごいね、頭いいね~!」みたいなことを言って教えると、子供達の成績は伸びる。一言で言えば、「褒めて伸ばす」スタイル。
上記の2つの方法を使って、インドでGranny Cloudという試みが実験的に行われている。まず、環境としてPC9台を用意したPC教室を学校に設置し、1台のPCを4名のグループで自由に使わせることにする。そして、イギリスとインド国内から、ボランティアで自分の時間を子供達の教育のために使ってくれるおばあちゃん世代を募り、彼女らがスカイプを通じて、そのPC教室の子供達とコミュニケーションを取るのだ。おばあちゃんが優しく褒めながら、色々なこと(本を読んだり、歌を教えたり)を教えてくれることで、子供達は先生なしでもPCを通じて学ぶことが出来る。
まだ実験段階で、どういう成果が出ているのかはわからないが、なかなか興味深い試みである。この「おばあちゃんクラウド」のように、子供達・途上国の人達のために何か協力したい人と、実際の子供達・途上国の人達を簡単に繋げることが出来る点はまさにICTのメリット。上手くいかせることは簡単じゃないと思うけど、可能性を秘めてるなぁと感じる。
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