エチオピアのICT事情 エチオピアのITエンジニア

アフリカ

超遅ればせながら9月のエチオピア帰国時の話です。色々と考えてから他のネタと絡めて紹介したいと思いながら温めていたのですが、うまくまとまらないうちに冷めて来ちゃったので、冷めきってしまって忘れないように投稿しておかねば…。

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今回のエチオピア帰国時に2回ほど協力隊時代の同僚の弟さん(ゲタチョウ君)に会いました。彼はバハルダール大学のコンピュータサイエンス学部を5年前に卒業して、今は政府系のサイバーセキュリティ対策機関に勤務しています。そんな彼に色々と聞いてみました。

Q;大学時代はどんな勉強したの?

A:システム開発。特に印象的なのは、大学の食堂で使うために、学生IDカードをバーコードで読み取って、どの生徒がいつ食事(朝食、昼食、夕食)を取ったかを管理するシステムを開発したこと。通常、学生には食堂用手帳みたいな冊子を各人が配布されており、その手帳に毎日の三食のチェック欄があり、そのチェック欄に手書きでチェックマークを書き込んで管理している。それをペーパーレス化&チェックの手間削除&嘘ついて2回食事をとろうとする輩を防止するという目的でシステムを開発した。最終的に、プロトタイプまで作成したものの、当初予定されていた大学側からの研究支援金が中止されてしまったので、それ以降の開発は断念して未完成で導入には至らなかった。でも良い経験だった。

Q:大学の食堂でシステム導入の可能性があるとは正直驚いた。大学のIT化は結構進んでるの?

A:高校と比較して段違いに進んでいると思う。バハルダール大学ではwifi環境も結構良かった。

Q:エチオピアにシステム開発会社ってどんくらいあるの?

A:たぶん10から20社じゃないかなぁ。でも、会社以外に個人でシステム開発を仕事にしている輩は結構いると思う。Webを通じてケニアなど他国からのシステム開発の仕事をやっていたりする。自分の友達に何人かそういう仕事をしている人がいる。

Q:今の仕事は何をしているの?

A:政府系のシステムをサイバーアタックから守るのが仕事。ネットワークを監視してアタック元を特定してブロックしたりしてる。まぁ、実際はもっといろいろやってるけど、多くは語れないね。

Q:エチオピアのICTセクターでビジネスチャンスってあるとしたらなんだろ?

A:ITスキルトレーニング系かなぁ…。e-LearningでITスキルトレーニングコースや情報セキュリティに関する知識についてのコースを作ったら良いと思う。あとは、民間企業向けのサイバーセキュリティ対策。今、政府系には自分の所属機関のような機関があるけど、銀行とか民間企業でもサイバーセキュリティ対策は重要であるにも関わらず、十分な対策が出来る会社は少ないんじゃないかと感じている。

Q:サイバーセキュリティ対策分野ってのは、確かに今後ますます重要性が増すからそういう企業がもっと必要になりそうだね。一方、ITスキルトレーニング系にいては、ITスクールが町中に結構あるけど、スクールじゃなくてe-Leaningなのはなんで?ターゲットはどんな層?言語は?

A:そっちのほうが安いから、安い方を利用する人が多いんじゃないかな。ターゲットは初級から上級までいずれもありだと思う。言語はアムハラ語がベターだけどマストじゃない。IT用語は英語が多いから英語Onlyでも良いと思う。

こんな感じのやり取りをしました。考えてみれば、エチオピアにだってJPCERT/CC的な組織があるのは不思議じゃない、と思いつつも結構驚いた。エチオピアで可能性があるビジネスについては思いつき感もあるけど、セキュリティは確かに需要が高まりそう。でも、そもそも違法コピーの使用にどっかで歯止めをかけるような取組をしないとなぁ。

そして一番印象的だったのは、所謂クラウドソーシング的な働き方をしているエンジニアがいるということ。ケニアから職をゲットしているといってたけど、その仕事はたどっていくとアメリカとかヨーロッパに行きついたりするのだろうか。

そう考えると、システム開発とう仕事の国境がなくなりつつあるなかで、日本語だけで仕事をしている日本人エンジニアはこの先大丈夫かと心配になる。

今回のエチオピア滞在記はこれで最後です。総じて言えるのは、エチオピアが自分の思っていたよりもいろんな意味で発展していたということ。2年ぶりの帰国ですが、驚くことが多かった。特に、ICT分野はこれからもっとスピードアップしていくのだろうな。

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