UNESCOがDigital Inclusionガイドラインにフィードバック受付中

ども、転職ほやほやのTomonaritです。ICTWorksUNESCOがDigital Inclusionガイドラインをドラフトしており、一般読者からのフィードバックを募集中である、という記事を読みました。ドラフトに対して4月30日までにフィードバックを送ると、Digital Inclusionガイドラインに意見を反映してもらえる、というもの。勿論、内容次第ですが。国連機関が作成するガイドラインに微力ながら貢献出来るというのは、みなさん興味あるんじゃないかと思い、お知らせします(以下の内容は、このガイドラインからの抜粋です)。

今、世界の7.5億人は読み書きの能力がなく、さらに20億人が十分な読み書き能力がない(semi-literate)と言われています。このガイドラインは、識字等の教育レベルが低かったり、いわゆるインターネット・リテラシーが低かったりして、デジタルツール(インターネットやモバイルアプリ等)を使いこなせていない人達でもきちんと使えるソリューションを考えるためのガイドラインというもの。英語だと、「UNESCO Guideline for Digital Inclusion for Low-skilled and Low-literate People」となっています。

また、ジェンダーによってもインターネットや携帯電話の穏健を受けれるか否かが左右されます。例えば、世界で識字能力がない人達の3分の2は女性。また、南アフリカでは男性に比べて女性が携帯電話を所有する割合は38%も低いとのこと。そして、インターネットを使わない理由として、「インターネットを使えるスキルがないから」という回答をする女性の割合は男性よりも1.6倍多いと言います。

このようにデジタル化の恩恵を受けられていない人達が、今後、恩恵を受けられるようにするにはどうすればいいのか?という問いに対しては、2つの回答。1つ目は教育をちゃんとしましょう。2つ目は、そういう人達でも使えるデジタル・ソリューションを考えてましょう、というもの。ユーザー側と作り手側の両側面からの取組みが必要ということ。そして、このガイドラインは、この2つ目にフォーカスしており、例えば、アプリやWebサイトの「メニュー」が階層型だと理解されにくい、といったような細かいテクニック的なアドバイスから、ソリューションをデザインするまず最初にユーザーのことをちゃんと理解すべし、といった方法論などが纏められています。

自分もドラフトをちゃんと読んだ訳ではないですが、ガイドラインとしてのリコメンデーションを抜粋すると以下の内容です。

  • Understand the users and their ecosystem
  • Follow best practice user-centered design approaches
  • Beware of challenges when designing with low-skilled and low literate users
  • Support the development of digital skills and competences of users
  • Benchmark and track the digital skills and competences of users
  • Develop a content strategy to meet users’ needs
  • Create content that is simple, clear and trustable
  • Design content for group or mediated digital usage
  • Consider mixing media and input methods for low-skilled and low- literate users
  • Design for maximum usability for low-skilled and low-literate users

  •  Embed support into the digital solution design
  • Provide training and support around the digital solution
  • Ensure appropriate data is being collected and tracked in safe and accountable ways

上記の各テーマの下にもっと細かい注意点が記載されており、1つ例にすると、下線を引いたDevelop a content strategy to meet users’ needsの下には、理解し易いコンテンツの一例として対話式があげられてます。以下の①と②で、どっちが分かり易いか?というもの。

①普通の文書
Reading books aloud to children builds vocabulary and comprehension skills, as well as promotes positive associations with reading.(読み聞かせは子供の語彙力と理解力を向上させるだけでなく、読書への好奇心を高める効果がある)

②対話形式(AさんとBさんの会話)
A: Reading books aloud to children is important.(子供への読み聞かせって重要だよ)
B: Why is it important to read to children?(なんで?)
A: Because it builds vocabulary and comprehension skills.(語彙力と理解力が上がるんだよ)
B: Really?(マジで?)
A: Yes, and it also promotes positive associations with reading.(本当だよ、読書への好奇心を高める効果もあるよ)

上記の例を見て、「なるほど」と思いました。確かに対話式の方が誰でも理解し易い。

デジタル化の恩恵を受けられていない貧しくて教育レベルが低い人々でも使えるソリューションを提供する事が出来れば、彼らがそれを使い始め、それによってリテラシーも向上し、それによって更にデジタルツールを使って恩恵を受けられるようになる、という好循環が起きるのが理想的ですね。一昔前のようにテキストだけではなく、画像、音声、動画、と使える手段も(ハードウェアも)多様化しているので、これはどんどん進む(というかすでに進んでいる)と思います。

「我こそは!」と思う方、是非、UNESCOにフィードバックを送って見ては如何でしょうか。このアドレス(ICTliteracy@unesco.org)宛に4月30日までです。自分もこれからドラフトをちゃんと読んでみます!

“UNESCOがDigital Inclusionガイドラインにフィードバック受付中” への3件の返信

  1. 「General characteristics of low-skilled and low-literate people and technology」は、いわゆるスキルやリテラシーが低いとされる状態の説明でしょうけど、日本国内の状況にもマッチしており、ものすごーく納得感あります。
    UIを主犯にしているあたりを除き、この部分だけでもかなり得した気分です。文書のご紹介ありがとうございます。

  2. 肯定的に捉えらえがちな『live in close-knit communities』についても「近所の人たちと助け合って密接に生きてきた人たちにとっては、全員が同じような方法じゃないと全く機能しない」という日本の高齢化社会や衰退する地方の暗部みたいで興味深いです。
    あとは…お約束の内容なので、今後の識者の踏ん張りに期待(笑)。

  3. 個人的な興味で気になったところは、「教科書的文章」と「会話文」との差は何かというところです。教科書的文章は抽象的な概念をそのまま文章化したものですが、会話文はそこに「コンテクスト」が加えられています。しゃべっている人物には社会的な役割やジェンダーというバックグラウンドが与えられていてそれがトリガーとなってビジュアルや声質、喋り方なども想起されるようになっている。そういったたくさんの付帯状況が生成されるのが「ストーリーテリング」の力なんだと思います。

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