仕事柄、ガーナの新聞にはサラッと目を通すようにしているのですが、結構ICT4D関連(ガーナは途上国だから、ICT関連記事は何でもICT4D関連だなぁ)の記事があります。先週、目に留まったのは”Ghana hosts workshop on data usage“というもの。
International Aid Transparency Initiative (IATI)というオープンデータを推進する機関を招いてガーナで地方政府職員に対するオープンデータ利活用のワークショップが行われました。以前、このブログでもポスト2015年開発アジェンダについて触れたように、ビックデータ、オープンデータといったデータ活用が今後の途上国開発の一つのキーワードになると思ってはいたものの、あまり身近に感じてなかった。でも、ガーナでもこういうワークショップが行われており、それが結構大きく新聞に載っているのを目の当たりにして、自分のなかでもっとアンテナ高くしないとなぁと感じました。
そこで、オープンデータと途上国開発でググってみると、結構面白い記事がありました。例えば、世銀のオープンデータ活用に関する取り組みを超カンタンに紹介している「オープンデータで行政サービスを「本当に必要な人」へ 途上国の活用事例、世界銀行ハマー氏に聞く」なんかは、非常に分かり易い。
また、OKFJのサイトには、2012年の投稿ですが「Aid Transparency Index公開、支援機関の透明性を評価」という記事があり、援助団体の透明性ランキングが紹介されています。この頃はJICAはIATIに加盟しておらず(今はJICAの援助データもこのIATIのサイトにリンクされている)、ランキングもそれほど高くない状況でした。さらにOKFJのサイトには「Open Data Indexに対してスペインから抗議の声」なんていう記事も。タイトルから想像すると、「我が国のOpen Data化推進レベルはこんなに低くはない!」という抗議かと思いきや、スペインの活動家から「スペインがこんなに上位になるはずがない」という逆の抗議。おもしろい。
そして、ICTWorksでも最近オープンデータについての記事がありました。「How Can We All Profit From Development Data?」というもの。昨年、USAIDがオープンデータ・ポリシーを策定したように、途上国開発に関するデータをオープンにして活用しようという流れがあるものの、実際にデータを提供する人々にどう裨益するのか?という課題を投げかけている。面白いのが、GoogleやFacebookという企業が多くの個人からデータを収集して、そのデータを活用して利益を得ているという点を引き合いに出している点。ある調査によると、Googleに情報提供している人(つまりユーザー)は2014年第1四半期に45USDの価値を提供していることになり、同様にFacebooユーザーは7.24USD、Twitterは3.55USDの価値を提供していることになる。これらの企業はユーザーに無料サービスを提供して、その見返りとして価値あるデータを収集しているわけだが、途上国開発に関わるデータ提供の見返りは何かな?将来、途上国の政府から「我々の情報はタダでは提供しませんよ」と言われる日もそう遠くないかも…、なんてね。
思い返すと、先日のUSAID主催の「Digital Development Forum West Africa 2015」というワークショップにて、参加者がパネルディスカッションのパネラー達にたいして質問する機会があったのですが、質問が多すぎるので各人がカードに質問を書いて司会者へ渡し、司会者がそのカードの中から、これは!という質問のみを選んでパネラーに問いかける方式でした。そこで、かなりの高倍率の中から選ばれた質問は、自分が書いた質問で「今後、途上国開発におけるビックデータの活用について示唆する方向性はあるか?」というものでした。やはり、ビックデータ、オープンデータの活用ってのはこれから熱いテーマですな。しかし、その活用をちゃんと出来る人材が豊富にいるのか?(しかも援助機関に)という懸念は拭えない…。
ガーナでこういうワークショップを受けているガーナの地方政府の方々が羨ましいなぁ。自分もこんなワークショップなら是非とも受けたいところです。
コメント
[…] 以前、「オープンデータと途上国開発」という2015年3月の投稿で、途上国の開発援助関係データのオープンデータ化の動きについて書いたことがありました。オープンデータって何?という方には、上記の世界銀行の動画が分り易いです。 […]
[…] オープンデータと途上国開発仕事柄、ガーナの新聞にはサラッと目を通すようにしているのですが、結構ICT4D関連(ガーナは途上国だから、ICT関連記事は何でもICT4D関連だなぁ)の記事が […]