ども、Tomonaritです。毎年世界銀行が出しているWorld Development Report(WDR)の2021年版のテーマは、Data for Developmentになるそうです。WDR2021の責任者であるPinelopi Goldberg氏が 世界銀行のブログで1月にアナウンスしていました。 ブログには、読者もコメントが書き込めるようになっています。
これからIoTやら5Gやらが普及していくと、今まで以上にデータが集めやすくなり、さらにAIによるBig Data解析の高度化やコストダウンなんかも進むので、「正しいデータに基づいて効果的な開発計画を立案し、効率的に実施・モニタリングして行きましょう~!」という流れなのだと思います。大量の指標をとる必要があるSGDsの17目標+169ターゲットの達成目標年まであと10年ですし。
WDR2016「Digital Dividends」に続くICT4D系テーマがヘビーローテションで来ますね。WDR2019「The Changing Nature of Work」もAIなどデジタル技術によって変わる仕事・雇用のあり方をテーマに含む内容でしたし、ここ最近のICT4DというかSTI4SDGといったトレンドは、まだ数年は続くのかなぁと思います。
Data for Developmentは特に真新しいテーマではなく、世界銀行はドナー中でもいち早くオープンデータ化をしたりしていました。
また、世界銀行は 2018年に同じテーマで、 「Information and Communications for Development 2018 : Data-Driven Development」という報告書を出しており、そこから気になる点を抜粋してみました。
- 2014年までに作られたデジタルデータ量よりも 2015、2016年の2年間で作られたデータ量のほうが多い。
- 株式時価総額でみた「データ独り占め」企業ランキングは以下のとおり。ちなみに、”Data hogs”のhogsって何だろ?と思って辞書を引いたら「豚」でした。 「(豚みたいに)よく食べるやつ、貪欲な人、利己的な人」 という意味も。 “Data hogs” って結構ヒドイ言い方だなぁ(笑)

- 上のランキンでもそうですが、下のグラフでもアメリカの強さがよく分かる。日本はソフトバンクと楽天の名前が。

- 「個人のデータを渡したくない!」と思っている国ランキングでは、日本は1位!(正しくは、以下のように、個人のデータを渡しても良いと思っている度ランキングで日本は最下位ということです)。その逆の国は・・・・?というと中国。

- SDGsの各ゴールに対して、データがどう使えるのか?の具体例は以下のとおり。
- これは個人的に驚いた点だったのですが、Web上で使われている言語のうち英語は約半分でした(下の右側の円グラフ)。かつてマンチェスター大学でICT4Dを勉強していた2007年頃に読んだレポートでは、9割が英語みたいな書き方がされているケースが多かった印象なので、ここまで他の言語が増えたんだなぁと、少し嬉しくなりました。しかし意外に中国語率が低いんだなぁ。

以上、ちょっと気になった点でした。
また、この報告書につての勉強会(2019年1月の世界銀行モーニングセミナー(第24回)「開発のための情報・コミュニケーション2018:データ主導型開発」)に当時、Kanotが参加してこんな記事もアップしています。
Data for Developmentというテーマで書いた以下リンクの投稿の方に自分の思った点(Data for Developmentの課題など)がより多く書かれているので、興味ある方は覗いて見て下さい(なかなかインパクトのあるオジサンの写真が気になる方も是非!)。
コメント
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[…] WDR2021のテーマは、ちょうど1年前にこのブログでも紹介(当時はまだData for Developmentって言われてましたね)したようにデータをどう国際開発に活用していくか?というもの。 […]