ケニアならではのイノベーション・発展を!(キャスタリア セミナー その①)

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キャスタリアの時田さん。いつも和装。

キャスタリアの時田さん。いつも和装。

ども、Tomonaritです。8月1日にケニアでプログラミング教育事業を展開するキャスタリアさんのセミナーに参加さてもらいました。主催者・登壇者の皆さんとの打ち上げの場での会話も含め、とても刺激的で勉強になりました。その学びについて何回かに分けて書こうと思います。

まず第一弾として、キャスタリアの時田さんが発表してくれてたナイロビのテックコミュニティについて。ケニア、ナイロビと言えば、iHubに代表されるインキュベーション施設が盛り上がっている。そんなナイロビのテックコミュニティの状況を現地に入り込んでいる時田さんが紹介してくれました。

なお、上記写真の時田さんは、「イベントだから」和装ではなく、「いつも」和装、という方。ちょうど同じ日にTICAD7関連の会合でも登壇されていました。アフリカ諸国の政府高官達から偉いウケたらしいです。納得(笑)

まず、ケニア都市部のインターネット環境はかなり良いよいです。「2017年に実施されたAKAMAIの調査では、平均13.7Mbpsと米国の10.7Mbpsより高く、アフリカではトップ。世界で見ても14位と非常に良い結果。体感でも4Gネットワークは安定しており、日本と遜色ない状況。ただ、またインタネットユーザーは40%前後と高くないため、全国展開されるサービスはSMS等の利用を想定する必要あり。」とのこと。

ここで時田さんからSMSの利用を前提としているアプリの紹介がありました。1つはenezaというモバイルラーニングのアプリ。SlideShareに紹介プレゼンが載っていたので以下に載せます(スライド4枚目に実際のクイズと回答が載ってます)。

もう一つが、m-shuleという、これもモバイルラーニングのアプリ。

https://m-shule.com/

enezaもm-shuleもSMSで質問・回答が完結出来るようになっている点が日現地事情に即したソリューション。

そして時田さんのプレゼンは、気になるナイロビのエンジニアの話に。「現地エンジニアでもスタートアップでは、日本やアメリカと変わらない技術が採用されている。日本との大きな違いでは、ruby / ruby on railsがメジャーでないことと、iOSのアプリ開発はあまり活発ではないため、iOSに関する技術者はまだ少ないことなど。英語が公用語なのが強い。神レベルのエンジニアは少ないそう」とのこと。

聞いていて思ったのは、英語が出来るから欧米のWebサイトや欧米のエンジニアとの交流から先進国と変わらない技術が採用出来ている点は、日本人にはないアドバンテージだと言う点。まさに、ICTのメリットである空間を飛び越えて情報が共有できると言う点が活きている。困ったときにすぐに相談できる「神レベルのエンジニア」が近くにいないのが彼らが課題と感じている点らしい。でも、ネットで聞けばおそらく神レベルのエンジニアが回答してくれるんだろうと思うと、そこまで深刻な課題じゃないのかも。

個人的な疑問として「どうせテックコミュニティの住民は金持ちのボンボンばかりじゃないのか?」と思ったので時田さんへ聞いてみました。すると、「そういう人達もいるけど、キベラスラムの出身者もいた」との回答。ほほう。

貧しい環境からどうやってイケてるエンジニアに上り詰めたのか?という疑問については、どうやら独学で学んでいたり、独学での学び方を教えてくれるプログラミング・スクールに通ったり、という方法のようでした。確かに英語が出来れば、いくらでも独学で学べるリソースがWebにある。

この点については、「独学で学んでものに出来るか?は本人のモチベーション次第」との意見が。外山健太郎氏の本世銀のWDR2016でも書かれているように、やはりICTの活用が成功するのか否かは「モチベーションが大切」。そして、モチベーションを鼓舞させるには、「ああなりたい」というロールモデルの存在が重要という意見が最後にキャスタリア代表の山脇さんからありました。

セミナー冒頭でも山脇さんから「アフリカならでは、ケニアならではのイノベーション・発展を目指したい」との話があり、自分も100%同感。是非、キャスタリアさんには、ケニアならではのイノベーション・発展のロールモデルを現地の方々と一緒に作って行ってもらいたいと思います。

セミナーではケニアの教育分野の専門家である長沼さんやアフリカ開発銀行の遠藤さんからも色々とお話があったので、それはまた別のポストで書きますので、お楽しみに。

 

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