どもTomonaritです。以前、Knotが登壇し大好評だったセミナー「Blockchain for Development」でもユニセフの取組みが紹介されていましたが、気になっていた「The Hope Page」での寄付をちょっとやってみたのでご報告します。
ユニセフの取組み
ユニセフは国連機関のなかでもブロックチェーンをはじめとするイノベーションの活用に積極的な印象。今のところ、主に以下4つの取組みが良くニュースなどで取り上げられています。
Unicef Innovation Fund:
総額1260万ドルのファンド。1件あたり、USD50,000〜USD90,000の寄付型の出資をするもの。ブロックチェーンやAIなどのテクノロジーの活用が対象。ブロックチェーンの活用では南アフリカの9Needs(今はtrustlabという名前)という企業(ブロックチェーンと識別認証技術の進歩を駆使し、より良い乳幼児期のケアと教育の管理システムを構築する事業を実施)に出資している。
ICOによる資金集め:
ユニセフ独自のトークン発行によるスタートアップを支援するファンドのようなものを始めることを検討中。
The Hope Page:
The Hope PageのWebサイトへのアクセスを通じて、仮想通貨を採掘するために必要なコンピューターの処理能力を、寄付として提供出来るというもの。ユニセフ・オーストラリアが2018年4月29日に実施を発表。←今回やってみたのはコレ!
Game Chaingers:
上記のThe Hope Pageを開始する前の2018年2月〜3月末までのトライアル的な位置づけ。プロジェクトの公式サイトを通じ、マイニング経験を持たない人でも手軽にイーサリアムをマイニングできるツールを提供し、イーサリアムのマイニング(採掘)を行う。そのマイニングで出た利益をシリアの子供達に。ユニセフの公式ページ(以下)を見ると、最終的に85ETHが集まっています(2018年3月31日のレートだと、1ETH=約42,000円なので約360万円)。
The Hope Pageでの寄付をやってみた
まずWebサイトにアクセスして「START DONATING」をクリックすると、CPUの性能がチェックされました。
そして、このチェックが終わると、CPUの何%をマイニングに提供するか?というのを設定する画面が出て来ました。とりあえずデフォルトが60%だったので、そのまま60%にしてみました。
「CONFIRM」をクリックすると、マイニングへの貢献が始まりました。
この後は特に何もやることなし。楽だけどつまらない…。とりあえず、TOTAL HASHESが10,000になるまで続けてみました。7〜8分位だったかな。
TOTAL HASHESが10,000を超えたので、Webサイトを閉じて終了。気になるCUPの稼働はこんな感じでした。やっているときは70〜80%の稼働、止めたら5〜6%に戻りました。でも、やっている特にPCが遅くなるという感覚はなかったです(Webサイトみたり、エクセル使ったり程度の作業しかしてなかったですが)。
やってみた感想
超カンタン:
ユーザー登録とか何もいらないので、超カンタン。上記のとおりクリックするだけ。
貢献度が分からない:
シンプルに「一体いくら分の寄付となったのか?」がわからないので、どれくらい(何分、何時間)続けるのが良いのか、良くわからず…。「良い事している感」があまり味わえない。
やや不安
単純に「仮想通貨のマイニングにはCPUを酷使するので電力がかかる」というイメージしか持ってない自分としては、「これ、続けたらPC熱くなりすぎて故障したりしないかな?」(実際、結構熱くなった。でもそもそも殺人的な夏の暑さのせいももあるか…)とか「電気代が上がるのか?」という点がやや不安。あるニュースでは、以下のような指摘も。
採掘は、ユーザーのコンピューターには全くの無害としている。しかし、コンコーディア大学が最近発表した仮想通貨採掘に関する研究では、自ら進んで仮想通貨の採掘に参加しているユーザーでさえも、電気代が上がったり、インターネットへの接続やコンピューターの動作が遅くなったり、使用機器の寿命が短くなるといった点に気づいていないことがあると指摘している。
会社とか学校でやる人出てくるのでは?
これ、会社とか学校でやる人がいた場合、どうなのかな?勿論、会社や学校のリソースを個人の活動で使うのは良くないけど、会社や学校の戦略としてやるっていうのはありかも。でも貢献度が分からないからやれないかな。
改善案
以下、もっとこうしたら良いのになあと思うところです。
- TOTAL HASHESの数でいくら位の金額の貢献になるのか、正確でなくても良いので目安が提示されていると、もっとやりがいがありそう。
- 「小さい寄付を数多く集められる」というのが、この仕組みの利点だと思いますが、今はおそらくテクノロジーに強い人達をターゲットにしている感があり(←上記のチャリティーキャンペーンをPCゲーマーに呼びかけた点とか、Webサイトも一般人が見て「やってみよう!」と思う感じじゃない)、そこがチグハグしている気が。折角なら一般向けに、もっと色んな情報を提供して不安を払拭できたらもっとユーザー数が増えるのではないか。
- 「超カンタン」という利便性とのバランスだけど、クラウドファンディングみたいな感じで、何のプロジェクトに寄付するのかを選択出来たり、ユーザー登録して誰がどのプロジェクトにいくら寄付しているのかが見えたりすると、もっと面白いかも。
- そう言う意味では、この方法をクラウドファンディングサイトが、寄付方法の1つの選択肢して設けたら、より寄付があつまり安くなるかも。
以上、「The Hope Pageをやってみた」でした。TOTAL HASHESの数値と貢献度の関係とか、電気代についてとか、詳しい方々からのコメントお待ちしております!
【以下、参考にさせてもらったサイトです】
ユニセフがICOの可能性、子供たちの生活を改善するブロックチェーン活用方法を検討
コメント
以下、修正ました。
・Game Chaingerのこと抜けてたので追記
・Game Chaingerで集まった寄付の金額が、最初参照したニュース「豪州ユニセフ、仮想通貨の採掘を寄付として受け付け」だと約1,000ユーロ(約13万2000円)となってたので削除