世界銀行のブロックチェーン債券「bond-i」のインパクト

3. その他

ども、Tomonaritです。世界銀行がブロックチェーンを使った債券を発行するため、オーストラリア・コモンウェルス銀行と契約を結んだと発表しました。シドニーの有名なBondi ビーチにちなんで、名前は「bond-i」。

いつ発行するのか等詳細はまだあまり明らかにはされてないようですが、色んなニュースメディアが取り上げています。CNNによると金額は、100 百万オーストラリアドル (=73百万USD)。世銀は500〜600億ドルの債券を発行しているので、割合にすると0.1%位と大きくはない。また、プライベートチェーンを使う、期待出来る効果は「中抜き」による業務効率化という点では、そこまでイノベーティブではない気もするのですが、しかし、このインパクトはかなり大きいと思います。以下3つの視点から、そのインパクトの大きさを考えてみました(後半の2つ目、3つ目は個人的な深読みかも、と思いつつ)。

  1. ブロックチェーンの信頼性に世界銀行がお墨付きを与えた感:これまでも、ドイツのダイムラーがドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州立銀行 (LBBW)と共同で、ブロックチェーン技術を導入した金融取引を実験的におこなったり、イギリスの企業(Nivaura)がイーサリアムのパブリック・ブロックチェーンを使った債券を発行したり、といった例はあった。また、オーストラリアは2020年末までに、証券取引を全てブロックチェーンをベースにしたものに移行させることを計画している。このように色々な事例がありつつも、「世界銀行」がやると発表したことは、他の援助機関、政府、企業、NGOなどにおいて、ブロックチェーン推進派が懐疑派を説得させる良い材料になる。他の援助機関も「うちもやらねば!」と「Me, too」現象が起きるかも。
  2. オーストラリアってのが微妙に良い!①:完全に勝手なイメージですが、これがアメリカの銀行だと、「シリコンバレーのアメリカだからね」みたいな妙な納得感があり、そこまで「うちもやらねば!」という気にならないかも。でも、オーストラリアだと、より「うちもやらねば!」という気持を煽られる感じがする。
  3. オーストラリアってのが微妙に良い!②:これまた完全に勝手なイメージですが、オーストラリアってクリーンエネルギーの活用に積極的に取組んでおり、環境に配慮している感があります。一方、ブロックチェーン普及の課題の1つに大量の電力消費・二酸化炭素排出という問題があります。例えば、“ビットコイン・ネットワーク全体の電力消費量は、低く見積もってもアメリカの家庭700世帯分、場合によってはキプロス島全体の電力消費量に匹敵するともいわれている”(「ブロックチェーン・レボリューション」第10章からの抜粋)。環境に配慮している体のオーストラリアがやることで、「ブロックチェーン=環境に悪い」感を払拭するような効果もありそう。勿論、ビットコインで使われているProof of Workという承認方式ではない別の方式を使えば解決出来る問題であり、世界銀行もProof of Workではない承認方式のイーサリアムを使うと言っているので、知っている人からすれば何でもないですが、私のような聞きかじりのオジサン(=組織のなかの懐疑派)の思い込みを正すきっかけとなりそう。

以前、世銀のセミナーに出席した際、新しい技術(IoT、ブロックチェーン、AI、などなど)が途上国に及ぼす影響が非常に大きくなっており、「ここでイニシアチブを取らねば、世銀の存在意義はない!」的なメッセージを登壇者のクラウス・ティルメスさん(世界銀行グループ 総裁室 破壊的技術(Disruptive Technology)イニシアティブ 上級アドバイザー)がアツく語っていました。世銀という影響力のある組織がどう動くか、また、それに対して他の援助機関や民間企業がどう変わるか、楽しみです。

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