ノーコードやってみた「手を動かすことって大事だなぁ」

イノベーション・新技術

ども、Tomonaritです。2020年1月に「毎週ブログ記事を1つ書く!」と目標をたてたものの、結局、45記事ということで52週には7つ届かず・・・という結果に(涙)
今年は逆に、「無理な目標は立てないでおこう」ということでのんびりしていたら、これが今年最初の投稿になってしまいました。

さて、本題ですが、イノベーションとか課題解決の能力をどうしたら身に着けられるのか?という点について書いてみます。いろいろな国のICT関連政策とか教育関連政策でお目にかかるのが「イノベーション能力の向上」。例えばアフリカのICT立国として存在感を示しているルワンダの「SMART Rwanda Master Plan 2016-2020」という政策の中では、「ICTスキルとイノベーション能力の向上(2.6 Objective #6. Improve and expand access to ICT skills and innovation capacity)」という戦略目標が掲げられていました。ルワンダのケースでは、National Innovation Center設立、国際的ICT企業と連携したICT・R&Dセンター設立、といった具体的な取組がそのための計画となっていました。一方で、教育として「イノベーション能力」とか「課題解決能力」を持った人材を育てるにはどうしたら良いのか?という点も重要だと思います。そんなことを考えていたところ、ちょうど昨日、個人的な経験からハッと気づいたことがあったので書いてみます。

ここ最近、ICT Labのメンバー内で「ノーコード・ハッカソン」なるプチイベントが行われています。ノーコード、つまりコードを書かなくてもアプリとか作れるツールを使って、なんか作ってみようぜっ!という企画です。そもそもノーコードという言葉をそれまで知らなかったのですが、思いの外、ちゃんとしたアプリ(正確にいうとPWAというもので、「Progressive Web Apps」というWeb上で動くモバイルアプリっぽいやつ)が出来ちゃうんですね(このノーコード・ハッカソンの結果については、Kanotが追って投稿してくれると思うので、乞うご期待)。

で、私もGlideというツールを使ってアプリを作ってみました。1つは単純に歩いた時間を記録するだけのアプリ。在宅ワークで全然歩かないので、流石にこれは健康に悪いと思い、これを作ることで少し意識を変えようということで作ってみました。本当はもっとカッコイイのを作りたと思っていたのですが、これといったアイデアもなく、とりあえずGlideってどんなんだろ?というのを体験するために作った味気ないアプリです・・・。

「へー、こんなのが簡単に出来ちゃうんだなぁー」と、約四半世紀前にホームページビルダーに感じた感動と類似の感動を覚えました。で、とりあえず試しに作ってみはみたものの、どうせならもっと役に立つアプリを作れないかなぁ・・・と悶々としていたのですが、娘から「バレンタインのために買い物に連れて行け!」と言われ、その後、近所のスーパーベルクスに娘と買い物に行きました。そして、いつもの100円ショップへ 。

いつもの100ショップなんですが、お店を見ながら私の中では「何かアプリで出来ることはないかな?」という思いがあり、大袈裟にいうと、「課題はないか?」といういつもとは全く違った視線でお店を見ることが出来ました。「ついつい無駄遣いをしてしまうのを防ぐための、100ショップで買ったものを記録しておくアプリ」とか「娘のためのお小遣い帳アプリ」とか、いずれにしても大したアイデアではないのですが、取り敢えずいつもとは違う目線で100均をうろついたのでした。

これは結構新しい体験でした。Glideを使って作るアプリで何が出来そうか?という超漠然としたなんとなくの理解が先にあったからこそ、「課題はないか?」という視点が持てたのでした。そして、「そうか・・・。こういう体験をするためのきっかけを教育の中で若い人に提供していくことが大事なのか」と思ったわけです。これまでも何度も繰り返してきた「Solution-drivenアプローチはダメで、Demand-drivenアプローチが重要」というのは変わらないですが、やはりSolutionの種が何もないところからはアイデアも生まれないのだろうな、とも思いました。また一方で、コードが書けるってのと、役立つアプリが作れるってのも大分違うスキルだなとも感じました。やはりこういうのは自分で手を動かして見ないと実感としてわからないですね。

で、結局、買い物から帰ってきて作ったもう1つのアプリは、100ショップでの買い物とは全く関係なく、ICT4D Labメンバーの紹介アプリでした(笑)
しかし、こんなアプリがあっという間に作れちゃうというのには驚きです。

ノーコードについては、こんな講座も開催予定です!ご興味ある方、見てみてください。

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コメント

  1. Ozaki Yuji より:

    Glideって、Googleスプレッドシートをデータストアにして、UI/フロントエンドを構築できるっぽいですね。興味深い仕組みのご紹介、ありがとうございます。kintoneも面白いですよ…。

    ノーコードあるいはローコードツールを使っても、開発にはかわりないので、業務が関係する場合には、IT導入ネタの定番課題である「なんかあった時の責任の帰趨が延々と協議されて開発にたどり着けない」「ヤる人・デキる人が離れたあとの運用保守」「あれもこれもで過剰に規模拡大して開発者あぼーん」「使い方の説明を要求する自称初心者が無限に湧いてくる」に襲われそうではあります。結局、これらの課題に対する完璧な解は未来永劫存在し得ないのでしょうけど。

    以下のYahoo!記事は、小学校の先生が保護者と一緒にkintoneでアプリ作って便利だよ、というネタ。児童数112人・教職員22人程度の規模なので、教員一人で開発してもなんとか面倒見えそう。
    https://news.yahoo.co.jp/articles/6cad96e83ce019b8a3097d83a5efb0bba4943e9f

    記事では、『簡単なものは5分くらいでできる』とあるけど、基本情報となるマスター(児童の名前や生年月日、出身幼稚園・保育園など基本的な情報が入っているアプリ)整備の時間(特にあちこちに分散されている紙情報の再入力作業の時間)は、この5分には含まれていないと思われます。一旦マスターができた後はすごく早くなるのでしょうけど。
    この記事で怖いのは、記事の字面をそのまま信じ込んで他人にアプリを5分で作らせようとする(5分でできるんだから、とひたすら値切る)輩が湧いてくるコト。記事を書く人に「5分でできる」ための前提条件に触れる配慮があればなあ…と少々残念な気持ち。

    • tomonarit より:

      Ozakiさん、コメントありがとうございます!そう、GlideってGoogleスプレッッドシートから作れるってのがとっつきやすいところですね、Kintoneの紹介もありがとうございました。
      「5分で・・・」とかの謳い文句は、ちょっと大袈裟な誇張かもなぁと思いますね。Glideも実際にやってみると確かに簡単ですが、なんやかんやで数時間費やしました。こういうのをIT業界じゃない人が触ってみることで、多少なりとも苦労を理解することに繋がると双方のコミニュケーションがスムーズになるのかと感じました。

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